ネット記事の画面コピー③ 2002年8月12日
タイトル『現代の神隠しか!? 京都府中埜宮市で続く"痕跡のない"行方不』(付記:タイトルの「神隠し」の部分が赤丸で囲われている。叔父が書き足したもの?)
京都府中埜宮市では、恐るべきことに、ここ4週間で実に4件の行方不明事件が発生している。行方不明となった子どもたちは皆、中埜宮小学校の同学年の児童だという。勿論中埜宮署を中心に、京都府警が全力を挙げて捜索に当たっているが、一人として発見に至ってない。警察の怠慢や初動の遅れを指摘する声が多くみられるが、果たして本当に警察の怠慢だけがこれらの事件を長引かせているのだろうか?
―筆者の独自捜査により、一連の行方不明事件の異質さが浮き彫りとなった。これより、得た証言などを元に、この一連の事件について深堀していく。
●第一の事件:A子さん行方不明事件
この事件が起点となるのは言うまでもない。彼女が行方不明となるその前日、つまり7/22には、高知県に台風6号が上陸していた。7/23においては、台風は北上し、京都にも若干の強風という影響を及ぼし始めていた。台風6号は風よりも雨の目立つ台風であり、彼女が行方不明になった7/23夜には台風は京都に最接近し、中埜宮市内では一時間に50mmの非常に激しい雨が観測された。
通報のあった夕方ごろよりはじめられた、A子さんに関わる捜索はこの大雨により殆ど中断を余儀なくされた。例えば分かりやすい痕跡などが道路に残っていたとしても、その大半はこの大雨に流されたと言って差し支えないだろう。また、近隣の中埜山付近の一部道路が土砂崩れで塞がれたことも捜索の足止めとなった。
これが、足取りの追えない行方不明事件―神隠しの始まりであった。
●第二の事件:B美さん行方不明事件
この事件は、深夜の閑静な住宅街で発生したと考えられる。ただしB美さんの家の窓や扉などは全て鍵が掛かっており、外部から侵入者があったことは考えづらいとされている。また、関係者によれば、B美さんは家の鍵を持ち出していないとのことだ。
さて、勘のいい読者諸氏はお気づきのことと思う。つまりB美さんが行方不明になった夜、外部からの侵入者はなく、また同時に家から出た者もいないはずなのだ。この「神隠し」が、容赦なく捜査を難航させているのは、想像に難くない。
●第三の事件:Eくん行方不明事件
Eくんの行方不明事件にもまた、謎めいた話が寄せられている。警察関係者の話では、Eくんは実際に近所の友達の家まで遊びに行っていたらしい。となると、その後の足取りが分かりそうなものだが、それが全く追えないらしい。
というのも、Eくんはまさに、その友人宅の中で行方知らずになったのだそうだ。Eくんは、いつもであれば帰宅の挨拶を述べて帰るそうなのだが、その日はそれもなく、気が付いたらいなくなっていたという。加えて、Eくんの靴がその友人宅の玄関に置きっぱなしになっていたらしいことから、Eくんが友人宅内にいながらして行方をくらました、というのが筆者の考えである。
●第四の事件:F代ちゃん行方不明事件
この事件は先日発生したばかりである。このことから大まかな情報しか得られてはいない。が、その中でも既に不思議な話が聞かれている。F代ちゃんは、中埜宮市内のスーパーで、数分の間に姿を消している。つまり、F代ちゃんは少なくとも、スーパーの特定の売り場から、出入り口までの距離を移動した(或いは移動させられた)ことになる。が、夕方のスーパーという最も人の混み合う場所にあって、F代ちゃんに関する目撃情報は一つもなかったという。
さて、これらの事件を見れば私がこれら一連の行方不明事件を「神隠し」と呼ぶ所以がお分かりいただけることだろう。これら一連の行方不明事件は、あまりにもその「足取りが追えない」のである。自ら遁走したにせよ、人為的に連れ去られたにせよ、あまりにもその痕跡が残っていない。それも、行方不明事件が四度続いてなおというのであれば、異常と表現せざるを得ない。
この異常事態を前に、警察の捜査が足止めを食らっているというのも仕方のないことではないだろうか? 今後も取材を続け、本案件の真相解明に努めたい。
(付記:コピー右端に「F代が帰ってきた、話を聞く」と叔父のものと思われるメモ書きがありました)
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