第7話 到着
などと考えているうちに蜜の吸える場所までやってきた。
いい匂いだ、空腹ではないがそそられる。
しかし、今はそんなことをしてる場合ではない。
間抜けは出会った頃よりかなり疲弊しているようだ。
とはいえ、まだ元気そうでヘラヘラしている。
途中何度か落ちそうになったのを自慢の顎で引っ張ってやったため、間抜けはさらに傷が増えた。
文句を言われたわけではないが、不可抗力で傷つけたことより、むしろ落ちなかったことに感謝してもらいたい。
間抜けは体があちこち痛むのか顔を顰めながら声を張り上げて仲間たちに語りかける。
「おーい、みんなぁ!帰ってきたよ〜!死にかけなんだけどね!ウケない?ねえねえ!聞いてる!?みんなぁ!!僕だよ僕僕〜!」
これまた何とも間の抜けたアピールだ。
そんな間抜けには近づきたくないのか、蝶たちは一定の距離を保つどころか少し離れていく。
間抜けは蝶からしても近づきたくない存在なのだろうか。
何度呼びかけても近づいてこない蝶と間抜けに業を煮やし、
「誰も近づいてこないではないか。やつらも死に損ないに付き合ってる暇はないということか。」
「違うよ違う違う、僕はみんなから愛されているんだからさ!そんなわけないじゃない!きっと天敵である君が近くにいるからみんな警戒してるんだよ。君は無害だってアピールしてよ!」
バカバカしい、ひっくり返り腹を見せ服従のポーズでもすればいいのか?
なぜそんな恥ずかしいことをしないといけないのか。
他の奴らに媚び諂ったりするつもりは毛頭ない。
それに近くにいるこいつをいまだに襲っていないのが何よりもの無害のアピールだというのに……蝶というのはこいつと同じでみんな頭があまり良くないのかもしれない。
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