続・フォロワーゼロの女

階段甘栗野郎

第1話 復活?ーージャーナリストNの調査記録

俺は、N。


都市伝説系フリーライターだ。


最近、都市伝説ネタもパッとしないので


過去の情報を探ってみて、数年前に「見たら呪われるSNSアカウント」があると言うネタを見つけた。


当時は、そんな曖昧で稚拙な都市伝説が、噂されていたらしい。


そんなネタは、山ほど取材してきた俺だが、今回は少し違うようだった。


話題に上がったのは、数年前に話題になったアカウント


「@n0_follower_girl」、別名「フォロワーゼロの女」


フォローもされず、フォローもしない。


投稿は一切なし。


だが、そのプロフィールページを「見るだけ」で怪異に会うという。


現在、ネットのどこを探してもそんな物は見つからない。


最初は、またどこかの悪質な釣りかバズリ狙いだと思っていたが、しかし、調べていくうちに奇妙な一致が見つかってしまった。


実際に「@n0_follower_girl」に係る失踪者が、居たのである。


当時残された行方不明者の記録を遡ると


ある時期、集中的に失踪していた者たちがいた。


• 大学生B


• 女子高生A


• 怪談系YouTuber Y


• 謎のセキュリティ技術者 L


その多くが「見られている」と呟いており、失踪前に最後にアクセスしていたのが「破損画像付きのリンク」だった。


ファイル名は決まって「follower_000.jpg。」


しかし、画像はどのアーカイブにも残されていない。


失踪者の情報がネット上から殆ど消えており


「見た者がいなくなる」と言う噂どうりに、情報と言う記録に残っていないのだ。


取材に行き詰った俺に、有る噂が流れてきた。


「Lが残した、「エアギャップ」という名の沈黙領域」があると・・・


SNS怪異に関する地下フォーラムで、私は初めてその言葉に出会った。


「Lが最後に籠もったのは、ネットと完全に遮断された空間だった」


「エアギャップ。」


「何者も接続できない、けど内部には「何か」がいる」


「彼はそこに「彼女」を封じようとした」


などの書き込みを見つけた。


エアギャップ・・・物理的に隔離されたネットワーク。


だがそこに、「視線」という非物理の情報が入り込むことなど、本来ありえない。


しかし、彼は「あえて切り離す」ことで、何かをしようとしたのだ。


更に調査を進めるうちに、私はLの最後の投稿を見つけた。


バックドア経由で閲覧されたその記録は、匿名のPastebinにひっそり残っていた。


「俺は視られている。」


「鏡の中、モニターの奥。」


「どこからか“目”が接続されてくる」


「隔離した。」


「あそこなら「彼女」は出られない」


「鍵は画像だ。」


「開くな。」


「絶対に開くな」


「follower_000.jpg」


「それが、視線の入り口だ」


投稿には、ある廃ビルの地下構造図が添付されていた。


地図の赤丸には「E-GAP NODE(封印中)」とだけ書かれていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る