てのひらサイズの悩み事

西ちさ

第2話 落葉

朝イチ、立ち上げたPCのトピックスに吉田拓郎の話題。盟友・篠原ともえとのツーショットとともに、(超大物歌手)の紹介文とともに。


拓郎さん、いくつになったんだろ?

新たなブラウザからwikiにアクセスすると、79歳とある。私が買った最初のアルバム「ah-面白かった」から3年。当時、吉田拓郎の最後のアルバムと言われ、いま現在もそうなっていて、買ったものの未開封でサブスクばかり聴いているその1枚に目をやる。すぐ手の届く書棚に、これまた未開封の米津玄師と今朝も静かに並んでいる。


吉田拓郎は、言わずと知れた神様だ。フォークの、と、限定してしまうにはロックすぎる神様だ。

そんな神様・吉田拓郎のラストアルバムが最初に買った拓郎さんのアルバムとはどういうことか。彼がデビューした70年代、吉田拓郎とともに時代をリードしたミュージシャンがもう1人いた。井上陽水だ。


陽水さんのアルバムはかなり持っていた。子どもの、なけなしの小遣いからアルバム代3000円は重く、少しずつ何ヶ月か貯金する必要があった。節約してもどちらか一方しか買えず、私は陽水派になった。


こんな経緯は、時間が面白い化学反応を起こしてくれる。擦り切れるほど聴いたアルバムとはちがう、とてつもなく新鮮で洗練された音楽、吉田拓郎という音楽をいま、聴くことができる。


さて、ここに発芽した(てのひらサイズの悩み事) Amazon musicで、拓郎さんのどの曲から聴こうか?

どの名曲も、口ずさめるほど歌詞を知らない。字幕を追って、その字余りぎみな歌詞の、単純で奥深い妙を楽しみたい。

そんな朝です。




ラストアルバムが最初

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