第14話
「ではまず、このビーカーに粘液を出してもらえるかの?」
俺は懐からトウェを引きずり出して、ビーカーの上に乗せる。
ビーカーの口よりもトウェの体の方がでかいため肉がはみ出たような感じになっている。
「トウェ、粘液を出してくれないか?」
「…」プルプル
トウェは粘液を出してくれた。
ビーカーの半分くらいまでたまってきたときに爺さんの待ったが入った。
「ここからはブラック雲母を入れるのじゃ」
「へ―、どうやって」
「それは……こうじゃ!」
爺さんはすり鉢とすりこぎを持ってきた。
忍たま〇太郎で見たことあるようなないような感じのやつ。
そして爺さんはすり鉢の中にブラック雲母を入れた。
「ほれすってみろ」
「おぉ…ゴマしかすったことなかったから新鮮だな」
「ん?お主は世渡り上手か?」
「そうかもな」
料理を作るときにゴマをすっただけなのだが面倒くさいので雑に返事をしておく。
5分程ゴリゴリしたところで大分腕が疲れてきた。
ゲームなのに疲れるとはこれいかに。
「しんどっ!」
「ほれほれ、まだ塊が残っとるぞい♪」
あぁ、この声のトーンはハリセンでたたかれたことを根に持ってるのか。
大人げないな。
そこからさらに5分ゴリゴリした。
ようやくすべての雲母がサラサラになった。
「お、できたようじゃの」
俺は腕を全く動かしたくなくなるほどに疲れ切っていた。
ゲームのはずなのに…………
爺さんはさっきとった粘液を持ってきて、そのまんますり鉢にぶっこんだ。
「さぁ!混ぜるのじゃ!」
爺さんに殺意を抱きながらもしぶしぶすりこぎで混ぜる。
ぐるぐると10回ほどかき混ぜて様子を見てみたところ、まったくもって混ざり合ってなかった。
ふざけてやがる。
あと俺は何回かき混ぜればいいんだ…………
+*+*+
「完成じゃ!」
所要時間1時間。
総かき混ぜ回数10000回以上。
《称号を獲得しました:フラ〇シス・ケネディさん》
え?ねるねるねるねの魔女の人の名前の称号手に入れたんだけど。
条件とかって見れんのかな。
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称号名:フラ〇シス・ケネディさん
条件:10000回以上何かをかき混ぜる。
説明:あなたは魔女となった。住民からは不気味がられ、子供たちからは人気となるだろう。
効果:一部のNPCの好感度上昇
一部のNPCの好感度減少
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わぁ、すごいのかわかんね。
まぁうちの鑑定さんよりも説明欄がしっかりとしているから良しとしよう。
まぁこれはほっといて、インクの方に戻るか。
「それでこれをこのままスクロールに書くのか?」
「そうじゃの」
「じゃあ筆はあるか?」
「何をいっておるんじゃ?指で書くに決まっておろう。もし筆の毛が抜けて魔術陣に不純物が入ったら大変じゃ」
指の油は許されるらしい。
これで、俺の魔術速射ゲーム生が始まるのであった。
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