どうやら、俺のスキルは【魔物合成】のようです〜異世界人が魔物を合成しまくった結果、チートな魔物が爆誕した模様〜

@marumarumarumori

第一章:ベルクド王国脱出編

勇者召喚に巻き込まれるやつ

俺の名前は長谷川ハセガワヒロシ

しがない高校生三年生だ。

ちなみに彼女居ない歴は年齢と同じぐらいだな。

まぁ、別にモテる気はないけど。


どこからどう見ても一般人にしか見えない俺は、どういうわけか何故か勇者召喚に巻き込まれたことによって、ラノベみたいなザ・ナーロッパ的な世界へと異世界転移していた。

しかも、俺と同い年の高校生二人組とサラリーマンらしきオッサンも付いてくるオマケ付き。


いや、何でだよ?

こういうのって、大体絶対ろくでもないパターンだよな?

だって、王族らしき人達の見た目が完全に贅沢しまくってる感じだし、なにより切羽詰まってる様子じゃないっぽいし....これ、確実に利用する気満々じゃねぇか!!

そう心の中でツッコミを入れる俺を尻目に、王様らしき人物が俺らを紹介した理由を語ってくれた。


何でもこの国....もとい、ベルクド王国は今まさに魔王との戦争一歩手前に来ているが、魔王軍に対抗できる力がこの国には無いので、何とかしようと考えた末に俺達を召喚したらしい。


いや、それ確実に他国を侵略するための方便というか嘘だよね?

絶対に俺を道具として使い潰す気だよね?

というか、勇者の肩書きってそういう案件のために引っ張り出すようなもんじゃないだろ。

そんな感じで不信感を抱きつつ、王様達の話を聴き続ける俺。


んで、その後に魔術師達によってラノベとかでよくあるスキルの確認的なことが行われ、俺達は各々のスキルを確認した。

何でも、スキルには固有スキルと普通のスキルに分かれるらしく、固有スキル持ちは珍しいらしい。


んで、魔術師達の持っていた魔法の鏡によれば....高校生二人組は【聖剣術】と【聖魔法】、サラリーマンは【鑑定眼】、そして....肝心の俺のスキルは【魔物合成】という感じのスキルで、俺とサラリーマンのスキルを確認した魔術師達は使えなさそうだなという反応をしていて、それを見た見た俺はこう思った。

よし、この国から逃げよう....と。


いやだって、スキルを確認するアイツらの目がどう見ても道具として使えるかの目だったから、そう思うのも無理はないだろ。

それに高校生二人組はノリノリだし、サラリーマンは不安げだし....このままこの泥舟に乗っていても仕方がないしな。


そんなことを考えながら一日を終えようとしていた時


「ハセガワくん、今良いかな?」


俺の泊まっていた部屋に若い騎士が数人やって来たかと思えば、何と俺を国境近くの街まで送ってくれると言ってくれた。

俺自身、いきなりどうしたのだと一瞬思ったが....彼らは本気で俺を逃がそうとしているのを感じ取った俺は、ひとまず騎士達の話を聞くことに。


騎士達のリーダーであるロベルトさん曰く....何でも、このベルクド王国は近々他国を侵略するようという名目で戦争を起こすつもりらしい。

....オイオイ、マジで戦争をするつもりだったのかよ!?

んで、その切り札として異世界人を召喚したのだと彼らは語った後、愚かなことをしようとしている祖国に失望した彼らは、俺に対して一緒に他国へと亡命する計画を打ち明けた。

....こんなに良い人達が亡命するのを覚悟するこの国ヤバくね?


なんてことを思っていた時、騎士達は俺以外にサラリーマンもまたその計画に乗り気だということが告げられ、俺はこのベルクド王国から脱出することを決めたのだった。

ちなみに、高校生二人組は騎士達の提案を拒否したのだとか。

まぁ、アイツらはやる気満々だったしな。


そんなわけで....俺とサラリーマンこと伊福部イフクベさんは騎士達の案内によって、その日のうちに騎士達と共に王城を脱出。

時間帯が時間帯なだけに、俺達は騎士達と共に追っ手が追いつかない距離まで移動し続け、ある程度王都離れたところで野宿を行うことにした。


「ハセガワくん、大丈夫かい?」

「あ、はい。何とか.......」


俺を心配するかのようにそう言った後、温かいお茶を差し出すロベルトさん。

....こんなにも優しい人が故郷をこんな行動を起こすぐらいだから、あの王様はろくでもないクズだったんだろうなぁ。

そう思った後、お茶を飲む俺。


「ところで....伊福部さんは?」

「明日があるからって理由でもう寝てます」


俺がそう答えると、なるほどと言う顔になるロベルトさん。

それから俺の隣に座ると、夜空を見つめながらこんなことを言った。


「これはあくまで、僕の独り言だと思って書いて欲しいんだが.....あの二人はともかく、君と伊福部さんの保有するスキルはとてつもないスキルだと僕は思ってる」

「え、そうなんですか?」

「あぁ、そして国王達が君のスキルの真価をすれば、それこそ君と伊福部さんを奴隷のように扱うだろう」

「ヒェッ」


.....【魔物合成】ってそんなにすごいスキルなのか?

ロベルトさんの話を聞いた瞬間、身震いをしながらそう思う俺。

でも、言われてみれば....確かにこの手の話だと、こういう系のスキルって結構チート風味だからなぁ。


なんてことを思いながら、満点の星が広がる夜空を見つめる俺。

電気が無いからかハッキリと見える星々に対し、俺はその方角を見つめながら星が綺麗だなと声を漏らすと、ロベルトさんはキョトンとした顔になっていたものの、すぐさま微笑むような顔になっていた。


「というか、他の人達は?」

「ギル達は魔物の襲撃に備えて見張をしているよ。ここは仮にも魔物たちが住まう森....だからね」


そう言った後、何故か剣を構えるロベルトさん。

そして、そのまま突然暗闇の中を切りつけたかと思えば、その場に動物の叫び声が響き渡った。


恐る恐るその動物の死体に俺が近づくと、そこには青い毛皮を持つ大きな狼の死体があった。


「これが魔物......」

「あぁ、そうだよ。もし、これに襲われたらひとたまりもないだろうね」


そう呟いた後、剣を鞘に収めるロベルトさん。


....俺、こんな生き物が闊歩する世界に召喚されたのか。

そう思っただけで、先行きが不安になる俺。

とりあえず、魔物に関することは【魔物合成】の能力が分かるまではロベルトさんに任せよう。

そう思った後、明日のためにテントへと戻る俺。


これは、そんな俺が【魔物合成】のスキルと共に異世界を冒険するだけではなく、魔物を合成しまくる物語である。

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