第3話 魔導の目覚め

魔導


魔導とは魔法、魔術を探求や研究を行うことを指す。


この世界に漂うマナは人体にも微量ながら存在しており総量には個人差がある。


魔法


魔法とは攻撃を行えるものや身体を強化したり耐久力を強化、物体の創造したりなどさまざまな使い方があるが種族により得意な魔法はそれぞれである。


ただし神族に関しては上記には無い特質したものも存在するが未だ解明されていない。


魔術


主にマナの総量が極端に少なく魔法の使用が困難な者が魔道具を使用し行う魔法のことを指す。


ただし、魔術には魔法にはない呪術と言われる異質な物も存在している。


故に魔術の使用を制限し呪術の類は禁忌とされている。




マナの総量を判別する方法は各国が保有する魔水晶を使用するまたは魔石に魔力を流し色の変化でおおまかな総量を測定する簡易的な方法がある。マナの量は幼少期からどのような環境に身を置き魔法が使用できる年齢が早ければ早いほど増えていくとされている。




「魔法か。どうやったら使えるんだ?できるのなら早めに使えるようになればマナ総量も高まるしいいことづくめだと思うんだけど」


ロイはページを進め独り言を呟いていた


魔法を使用するには自身のマナを感じる必要がある。マナは血液と同じく体の中で循環を行っている為その流れを感じそのマナを行いたい魔法へと変換させる想像を行う事。


「つまり、マナの流れを感じ。。」


ロイは目を閉じ心の中で自身の中に流れるマナを感じる


体の中に暖かくとても早く流れるこれは血液とは違うものを感じる。呼吸を整え頭に血液を回し手のひらを前に出し想像する。ゆっくりとマナを手に集中させ、想像する。


ロイが目を開けると手のひらの先に水のボールが出来ていた。


「これが、魔法。なのか!ほかになにが出来るのか確かめたい。もっと知りたい!!」


ロイの探求心に火をつけた瞬間だった、目がキラキラしていたニヤニヤもしていた


これが魔導、魔法を研究し探求し調べつくす。終わりのない魔法に終わりのない探求心をぶつける魔導の目覚め。


「おーい!ロイ!こっちに来てくれ馬の手入れを手伝ってくれ!」


ライが叫んでいた


返事はない


「おーい!ロイ!」


再び叫ぶ


返事はない


ライは焦った。何か起きているのかもしれないと全力で走る


「ロイ!大丈夫か!ロイ!」


部屋に到着後ライは眼を見開いたロイが本を片手間に気絶していた。


床には軽い水たまりができていた。


「大丈夫??」


タリアもまた部屋に駆け寄ってきた。


「あらら、まさかこんな早く魔導書を読むなんて。この子ももしかしたら、」


タリアとライは眼を合わせた


そのままタリアは本を閉じた。


裏面には(タリヤ・サラディーナ)と書かれていた。


「ライ。いつまでこのままで居られるの。」


タリアは少し俯きライに問う


「正直わからない、この前話した通り付近の魔物化がかなり進んでいる。マナンブルグとミリオンが牽制している大戦があるかもしれない。いつでもこの家を捨てられる用意をしておいたほうがいいな、でもまだロイには話すな不安にさせたくない」


ライはタリアを抱きしめささやく。


タリアは何も言わずただうなずいた


ライはロイを寝室に運びタリアの居るリビングへと足を運んだ。


「もしもの時のためにロイにも魔法を教えたほうがいいかもしれない」


ライは口を開いた。


「そうね。私の本を渡しておく。閉まってある本も全部出しておくわ。」


タリアは書庫に向かって歩いていく。




「ん。」


ロイは目を開く。


朝だった


「どのくらい寝てたんだろう。水を生成してたら急にめまいがして倒れたんだよな、これが本に書いてあったマナ切れなのか」


ロイはベットから立ち上がり部屋を後にする


「あら、おはようロイ」


タリアが笑顔で挨拶をしてきた


「おはよう、かあさん」


いつものように座り朝飯を食べながら挨拶をする


「ロイ、私の書庫にある本好きに読みなさい全部出しておいたから。」


タリアは少し暗い顔をしていた気がする。


「ありがとう!」


ただそんなことは気にならないくらいうれしかった。


朝食をかきこみロイは書庫に走る


再びタリアは少し暗い顔をしロイの後姿を眺めた。




その日は雨が降っていた。即席の墓の前に青年がたっていた


フードを深く被り手首にまかれたリストバンドを眺めゆっくりとその場を去った


「かあさん。とうさん。また来る。次は美味しい酒でも持ってくるよ。」


足音は激しく打ち付ける雨音に消されていく。

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