最強勇者のエロ耐性鍛錬記 ~淫らな女の子たちとの甘い特訓~
雨宮照
第1話 魔王軍の衣装がエロすぎる
「ちょ、ちょっと待ってよ! こんなの僕、戦えないよっ!」
戦場に響き渡る、声変わり前の男子の声。
僕は魔王軍との戦闘の最中、自らの目を右腕で隠して叫んでいた。
「な、なな、なんでそんなに魔王軍の人たちは薄着なの!? 恥ずかしくないの!? ほとんど肌の色だよ!?」
生きるか死ぬかの戦場には似つかわしくない僕の台詞に、魔王軍の女幹部・エストリエが笑う。
「坊や、攻撃も防御も魔法もーーどれも他の人間と比べて並外れて強いみたいだけど、相手の姿を見られないんじゃ、どれだけ強くても意味がないよ」
エストリエは笑いながら、手のひらに炎の玉を出現させると、それを僕の方に投げつけてきた。
黒い下着姿のような格好のエストリエを見ないようにしながら、僕は火の玉を視界の端でとらえサッと避ける。
そのまま右手を天高く掲げ、敵にカミナリを落とす魔法の詠唱をするがーー当たらない。
なぜなら、僕はエストリエの場所を正確に把握できていないから。
幼少の頃から体術の才能も魔法の才能も秀でていると言われ、神童として扱われてきた僕。
今日はそんな僕の、魔王軍との戦闘デビュー戦だったのだがーー
まさか、こんなにも魔王軍の衣装がセクシーだったなんて!!!
僕は今まで毎日、一日中魔王軍との戦闘に向けて自己鍛錬に励んできた。
もともとの才能に甘んじることなく、誰よりも強くなるために訓練をしてきたんだ。
その結果、女性との関わりが全くといっていいほどなかったことにより生じたハプニング。
僕が、こんなにもエッチなことに耐性がなかったなんて!!!
今まで戦闘訓練しかしてこなかった僕は、魔王軍のセクシーな衣装さえ直視できないレベルでエロ耐性がなかったらしい。
「何をやってるんだハルト! 一旦引き上げるぞ!」
戸惑い気味の王国軍の兵士長に言われ、僕は魔王軍幹部に一撃も食らわせることができないまま戦場に背を向けて走り出す。
こんなに魔王軍に女性が多いなんて聞いてないし、セクシーな衣装を着てるなんて全く知らなかったよ!
せっかく毎日鍛錬して強くなったのに、実力の1パーセントも発揮できないなんて!
僕は恥ずかしさと悔しさで顔を真っ赤にしながら、戦場から王国へと逃げ帰った。
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