第9話 コルト・ウッズマン

 情婦イロとなったケイコに……河野は様々な贈り物をした。

 最初はありきたりな……ネックレスや指輪だったが……彼がケイコへ贈った物は、とても風変わりなものだった。

 それは……一丁の拳銃!


 彼はそれを山ほどの弾と一緒に……“いつもプレゼントの受け渡しに使っている”新宿駅のコインロッカーへ収め、その鍵をポケットの中へ落とし込んだ。


「あの拳銃はきっとオレに向けられる。どんな恨みの念から来るのか知らねえが、向けられるだけの事を……オレはケイコにしてしまったのだろう……『恨み』なら色んな奴らから何度殺されても足りねえ位に買ってるからな! だから今は知る必要は無い。ケイコがオレに知らせたければ……その時、オレに言うだろう……そしたらオレは、あの拳銃を持ったケイコが狙いを付けやすい様にしてやるだけさ。惚れたオンナに殺されるなんて……男冥利に尽きる話だ」



 <コルト・ウッズマン・ マッチターゲット>


 競技用として開発された拳銃で、使用弾は低威力の.22LR、装弾数は10+1発

 威力の低い.22LRを用いるためストレートブローバックを採用、フレームサイズは中型弾も撃てそうな頑丈なもので銃身の跳ね上がりも少なく命中率は良い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る