TS少女の青春日記
しぇむ
第0章
第1話「TS転生!?」
朝日が窓から差し込み、鳥のさえずりが聞こえる。
………
……
…
……?どういうことだ?そこで俺は目覚める。そこには知らない天井があった。見覚えはないのに、見覚えがある部屋だった。どことなく安心する。というか、ここは結局どこなんだろう。なんだか体にも違和感がある全体的に小さいというか、なんていうか。全体的にいつもと違うような。何が起きたのか確認するため、くるまってた布団から脱出する。初めてなはずなのに慣れた足つきで鏡の前へ向かう。鏡に映った自分を見て声が出なかった。
夜を照らす月のような銀髪に、長い睫毛、見つめていると吸い込まれるような空色の双眸、整った顔立ちながら童顔、すらりとした手足、控えめだけどメリハリのある体型。美少女としか形容できない容貌をしていた。
「えぇ…?」
口から出てくる言葉は、凛としながら少し甘い柔らかい声だった。自分の出した声に戸惑う。
「どう、いうことだ?」
少しの間考えると一つの答えが導き出される。
「TSというやつかこれ。」
でも、おかしい。TS転生というやつは赤ちゃんからじゃないのか?まあ、細かいことは気にしないでおこう。それよりも、今は...ふむふむ。自分の体のあちこちを触る。なんと素晴らしい。女の子の体というものはこんなにも柔らかいのか。自身の体を堪能していると、下から女性の声が聞こえる。
「月華ー、朝ごはんよー。」
月華?誰のことだろうと思いながら、引き続き堪能する。やはり、男のロマンといったらここしかないだろう。揉む。そこに触れた途端、感動した。そう感動だ。
「あぁ…。」
初めて触ったが、これは何とも形容しがたい感触だ。よく二の腕の下の柔らかさと同じとか言われていたが、それとは比べ物にならないものだった。TS最高...。このまま触ってたい。まるで天国にいるようn...
ガチャッ。ドアが開いた。そう。部屋のドアが開いたのだ。
「月華。起きな——。」
目がばっちりと合った。綺麗なお姉さん?に自身の胸を揉みながら感動している姿を見られたのだ。
あぁ、終わった。
ガチャンッ。ドアが閉まる。
「月華。朝ごはんだから降りてきてね。」
ドア越しに言われる。さっきのは見なかったことにされたのか?恥ずかしすぎる。これは恥ずか死んでしまいそうだ。一旦頭を冷やそう。
◇
ふぅ。とりあえず落ち着いた。状況を整理すると、俺はTS転生して美少女化し、多分親?に降りて来いと言われた、ということだ。まだいろいろと戸惑っている。TSしたはいいものの、今の状況が上手くつかめないので、なるべく早く把握したいところ。
とりあえず、部屋を観察してみる。ピンクを基調とした部屋で、いかにも女の子の部屋という感じがする。ぬいぐるみが飾られていたり、かなり可愛い。自分の匂いなので、部屋がどんな匂いをしているのかわからなかった。絶対いい匂いだろうに。
おっと、さすがに朝ごはん食べに降りるか。……憂鬱だ。あんな姿を見られて平然を装える気がしない。とりあえず降りよう。
部屋を出て、階段を下りる。この家は一軒家らしい。リビングと思われる部屋のドアを開ける。ガチャッ。
「月華おはよう。」
さっきの綺麗なお姉さん?に挨拶される。もしかして母親なのか?いやいや、母親ってこんなに若いか?俺は見た目的に中学生か、高く見積もっても高校生というところだが、お姉さんは20代に思えるほどだ。さすがにお母さんということはないだろうと思って、
「お、おはようお姉ちゃん。」
「……。え?お姉ちゃん?何言ってるの月華。月華にお姉ちゃんはいないし、私はお母さんでしょ。」
「あ、うん、冗談だよ…?」
お姉ちゃんじゃなかったんだが。見た感じお姉ちゃんぐらいの年だろ。お母さんはないだろ。マジか。俺ってもしかして、結構若い感じ?中学生とかじゃなくて小学生だったり?いや、でも小学生であの胸の発達をしていたら反則だろう。と、とりあえず、お母さんと呼ぶようにしよう。
◇
お母さんに違和感を持たれないように朝ごはんを早く済ませ、部屋に戻る。
そういえば、学校ってあるのかな?机に置いてあったスマホを開き、日付をみる。
3月27日土曜日。うん、きっと学校はないだろう。ということで、とりあえず状況整理をしよう。まずは、自分の名前とか、個人情報に関することだ。スマホで必要な情報を集める。
名前:篠宮月華
年齢:15歳
住居:福岡県
らしい。SNSとかを見た感じ、サブカルチャー的なものが好きらしい。アプリとかを見ても、ソシャゲが多かったし。まあ、前世の俺もそんな感じだったし、意外と気が合いそうだ。引き続き自分や周りの情報を集める。RINEという連絡アプリを開き、友達の数を数えてみる。1、2、3、4……。うん。お母さん以外とRINEで繋がってるのは、美樹って子と律って子だけだ。多分中学の友達だろう。後は、公式RINEだった。
さっきも思ったけど、学校についても調べておかないと、15歳だから、次は高校一年生だろう。どこの高校に通うつもりなんだろう。親に聞いたら、何言ってんだって思われそうだし、どうしよう。カメラロールに合格発表のときの写真とかないかな?スクロールしていくと学校が写っている写真があった。えっと、
生活に慣れようと過ごしたり、自分の状況を考えたりしていたら、一日が終わろうとしていた。
23時11分。美樹って子から連絡がきた。「明日遊ばない?」と。
これはどうすればいいんだろう。俺としては、女子と遊びたいという気持ちが強いが、それ以上に女子と話すのが怖いという気持ちが強い。ここは、やんわりと断りたいところだが、連絡の履歴を遡ると基本的に遊びの誘いは断っておらず、美樹って子も優しそうな感じだった。そして、なんといっても高校が同じということらしい。ここで断るのは罪悪感があるため「遊べるよ!」と送っといた。
ああ、明日はどうしよう。女子と遊ぶなんて、前世の小学生低学年ぶりだぞ。中学高校ではまともに話すこともなかったし。女子に対する免疫がないから、相手にいろいろと迷惑をかけそうでいやだなあ。というか、いつもと違うなと思われて、違和感持たれないようにしないと。明日のことを考えていると全然眠れない。ベッドに入ってるのに全然眠れない。俺は、寝つきはいいほうだと自負していたのに。女子と遊ぶとなるとうやはり、緊張する。TSをして、一番最初の関門がきたというところか。ここで、俺のこれからが決まるといっても過言はない。いや、過言かもしれない。というか、早く寝よう。目をつむる。しかし、目をつむると明日のことを否応なしに考えてしまう。
………
……
…
◇
朝日が窓から差し込み、鳥のさえずりが——ってこれは昨日やったことだ。はっ。目が覚めた。目の前には、なんと、黒髪美少女がいた。なるほど、俺はまだ夢の中にいるらしい。目をつむり、二度寝をしようとするが……????え?目の前には黒髪美少女?どういうことだろう。もう一度目を開ける。黒髪美少女と目が合う。
「おはよう。月華」
なんと、黒髪美少女と添い寝をしているではないか。これはどういうことだろう。
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