語り合う場
精神疾患というとまずは医師との付き合いから始まる。恐らく精神科医という存在はカウンセラーも兼ねているとお思いの方も多いだろう。
中にはそういう医師もいるかも知れないが、基本的に5分程度の問診と薬の調整で診察は終わる。少なくとも私の場合はそうだ。実にあっさりしたものである。
もっとも双極性障害は完治はしないので「寛解」という状態をキープするしかない。医師も持久戦という対応にならざるを得ない。
とはいえ、色々な思い(しんどさ、生き辛さ)について他者に話したいと思うのも事実である。
私はその場として「ピアカウンセリング」を利用している。基本的に主催者も含めて同じ障害を抱える当事者同士という場合が多い。
現在は3つの自助グループに通っている。主催者のカラーが色濃く出る場合が多く、若干堅い会議のような会もあれば、市民会館の畳の間でコーヒーを飲みながら雑談形式という会まであり様々だ。
勿論必ず参加しなければならないという訳でもないし、開始時間厳守でもない。
話しても話さなくても自由が原則だ。
何か問題を解決する場というより、自分の気持ちを吐き出して人に聞いてもらうという事が主眼かと思われる。事実言葉に出すと自分の中で抱えている問題が整理出来る事もある。そこに共感、同感が得られると救われた気持ちになる。
中には長く通っていていわゆる「主(ぬし)」のような方が上から目線で色々言ってくる事もあるが、まあそれも含めて傾聴はするようにしている。
「そういう考え方もあるんだねえ」と。
自分の考え方と違うとついつい否定したくなる事もあるが、通い始めて、「考え方は人それぞれ」という思考回路が少しづつ出来始めた感覚がある。
私は目の前のAさんにはなれないし、Aさんは私にはなれない。という感じか。
いずれにせよ病気とは長い付き合いになるわけだから、自分の引き出しの中に色々入れておくのも悪くは無い。片方の箸しか入ってなくて、途方に暮れる事もあるだろうけれど・・・。
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