第13話 借り物と屁
「んじゃ行くぞ!」
と扉を開くとゴブリンキングか、
召喚するからめんどくさいんだよな。
「オッラー!」
「あっ!テメェ!」
剣を投げて見事にゴブリンキングの頭に当てるケイマ。
「それ借りものだろ!」
「いや、これが一番早いからな」
と反省の色なしと、ケイマの剣は作らない事にした。
ドロップは王冠とマント、宝箱は銀のインゴットだった。
へぇ、まあまあいいのが入ってるな。
「ほれ」
とケイマが持ってくる?
「いいのか?」
「当たり前だろ」
「サンキューな」
と収納に入れる。
ま、まぁ、これでトントンかな?
11階層はジャイアントアント、
アリが出てきたな。自分が小さくなった気分になるな。
みんな今回はゆっくり倒している。
っていうか腹一杯で眠気が来てる?
「おい、ケイマ?」
「……ん!」
「あっぶな!」
こいつ寝ながら攻撃してきたぞ?
もうやだ、なんなのこいつら。
ならさっきのとこで一回寝ろよ!
「ちょっ!カオリさん!」
“ビュッ”
「あ、なんだ、タクミか」
「……っぶな、起きろお前ら!じゃなきゃ全部返してもらうからな!」
「な!なんてひどいことを!」
と目が覚めたらしいカオリさん。
「じゃあ寝るな!」
「昼寝の時間だからしょうがないだろ?」
「しょうがなく無い!敵のど真ん中で寝るやつがあるか!」
「じゃあどうすればいいんだ?」
「はぁ、せめてここの敵倒してから寝てくれ」
と言うとみんなを起こしにいくカオリさん。
みんな起きて不機嫌で倒しまくっている。
なんなんだよこの部隊は。
きちんと倒してから眠る。てかよく眠れるな。
今が14時か、15時くらいに起きるかな?
とりあえずドロップを拾って周り、ちまちまと錬金をして行く。
ほんとこの部隊じゃなくてよかったよ。
きっかり1時間で起き出す隊員。
「ん……ここは」
寝ぼけ眼で睨みながら周りを見ている。
「あぁ、そうか、ダンジョンの中か」
「そうですよ、急に寝出すからびっくりしましたよ」
「大丈夫だ、私達は睡拳の使い手「おい!」なんだ?」
「そんな拳法ないし、あっても使うな!あとこれからカオリって言うからな!」
「……最初よりも言い方がきつい気が」
「今んとこダメなとこしか見てないからな」
「じゃー、挽回と行きますか」
「ですね」
と起き上がりカッコつけてるがどんだけ錬金させてんだよ。
「あー、あとサネミにはこの事いいますからね?」
「ダメだ、怒られるだろ」
「分かってんならちゃんとしろ!」
「クッ!みんな挽回するぞ」
「「「「おぉー!」」」」
ようやくやる気になった部隊は20階層までノンストップで行くとドロップを拾い終わった俺を待っていた。
「タクミ喉が渇いた」
「わたしも」
「ほいほい」
5人分の飲み物を渡す。
「これも言うのか?」
「当たり前だ!なんだと思ってんだ!」
「ドラ◯もん」
「ふざけるな!」
なんでも出せるわけないだろ!
「ケチい」
「お前らの方がケチいだろ!っとに」
そういえば、俺なんでついてきてんだ?
まぁいいか、素材は集まるからな。
「ほれさっさといけ!」
「おにぃー!あくまぁ!」
「なんでもいいからさっさと行け」
扉を開けるとミノタウルスだ。
カオルが突進して行き斧をガードしたと思ったら『土属性』を使い『スパイク』の魔法でダメージを与えるとリオンが横から斬り倒し問題なく倒した。
ドロップは皮に肉、中魔石で宝箱からはハンドアックスが出た。
「さ、次だな」
「小休憩は?」
「ならしてもいいぞ」
「やった」
と休憩しているので俺はハンドアックスをコネコネ、ミスリルに変えて刀を作っていく。
『雷属性』をつけて刀身を作る。
鍔と柄をつければ刀だな。
トレントの木で鞘も作る。
「なんでも作れるね」
「まぁな」
「じゃあ」
「作らないぞ?あと徴収するからな」
「「「「え?」」」」
「あ、カオルはいいぞ、盾なんて作る機会がないからな」
「私達は?」
「属性武器なんてあんなに作らせるからだな」
「わ、私は借りただけだから!」
「俺も」
「じゃあ、ブーツもだな」
「……」
黙る2人に悔しそうな2人。
「行くぞ!さっさと帰るぞ」
「「「「おう」」」」
「最初からそうしてくれ」
30階層に到着、時間は午後19時だ。
「行くぞ!」
扉を開けるとライアーヒヒと言う猿だな、しかもでかい。
「いくぞ!おら」
と斬った様に言うと、
『キイィィィ』
バタンと倒れる。
「ふっ!」
と油断したところに、
“バブッ”
と屁をかます。
「くさっ!」
とかけられたカオリは臭い匂いが取れない。
「くっ、この!」
『キィキィ!』
「バカにしてるのか」
ヒヒは赤い尻を振っている。
「この」
“ブヒッ”
「臭いっ!だ、誰か」
“ズサッ!”と俺の刀で頭を貫かれてドロップに変わる。
毛皮に中魔石、宝箱からは狒々の剣というのが出てきた。
「とりあえず出ましょうか」
「そうだな、いい時間だし」
モノリスで一階に戻るがカオリは臭いままだ。
はぁ、まだ下があるのに思いやられるな。
とりあえずギルド本部に帰り、カオリはシャワー室に、俺が報告をする。
「お前ら何やってんだ!明日からタクミはいないものと思え!」
「「「はい」」」
「悪かったなタクミ」
「いやぁ、カオリがあんだけだらしないとは」
「普通の時は普通なのだがな」
「ですね」
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