湯けむりと竜姫~温泉を創ったら銀狼に懐かれ、魔王に嫁入り迫られてたら世界が平和になっていた件~

相良 紬

プロローグ

第0話 ぐちょぐちょ(狼の涎)なツンデレ魔王

 そこにはフェンリルの口にくわえられた、よだれでベトベトの燃えるような赤髪ツインテール碧眼へきがんのロリっ子が居た。


 服装は黒を基調に金の差し色が入ったドレスだが、それもユキのよだれでベトベトだ。


 ファンタジーでは咥えられても奇麗なままだったりするが、現実はそうでもないらしい。


『主、こいつがこの森に軍勢を送ろうとしていたので捕えて参りました』


「なにぃ?この平凡面の服のセンスダサダサの平凡男がお前の主じゃと?」


 イラっとしたので剣を抜くだけ抜いてみた。


 ただ、剣を抜くと言うことは、切られる覚悟のあるやつだけだ!と言う前世での漫画のセリフが過り、少し躊躇したが。


『グッ』


「にゃっ!!おおおお、お前その剣は……?! わらわににゃにゃにを……あぁっ……あっ」


 ジョロ……びちゃびちゃびちゃ……


 剣を抜いたとたん空気が変わった。

 それはもう、あまりにも素早く、華麗に。


 フェンリルは臨戦態勢に、口にくわえられたロリっ子は顔面蒼白、号泣に加え、失神失禁のオンパレード。


 せっかくの高級そうなドレスがもう滅茶苦茶だし、最後のほうは涙声で、なんて言ってたのかわからなかった。


 というか、この剣はそんなやばいやつなのか?


 作ったときはこんな雰囲気、かもしてなかったのに、いまは俺でもわかるくらいやばい感じが伝わってくる。


 なんというか、神々しいを通り越して禍々まがまがしいような何とも言えない雰囲気に---



序盤のキャラ紹介(簡易)


アリア:ツンデレなドラゴンの魔王、武闘派故恋愛に疎い模様。

ユキ:銀狼。クールだけど、何処かおかしいボケ担当。群れの序列は絶対。

エル:ハイエルフの少女(?)至って真面目なだけどちょいむっつりさん。

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