第9話 地獄の時間【N】

今日は数学の先生がくる日....



「次の宿題は忘れちゃいけない」



しかし、なにを思ったのか先生に指定されたページではなく、違うページをやってしまっていたのだ。



もしかしたら、緊張や不安のあまり間違えてしまったのかもしれない。



「え?なに?やってないじゃーん、どういうこと?」



「あ、、いや、あの実は、、」



「バシッ」



いつも以上に頭に衝撃が加わった。



「いた....!」



「痛いじゃないだろ、キミは怠け者?」



「.....」


怖くて言葉が出てこない。



「キミみたいな怠け者は成績なんか上がんないよ。人間やめたら?」



違うページをやってしまった自分も悪いけど、この時は正直「ここまで言うか?」とも思った。



(苦痛だ...早く終わってほしい...)



時間が過ぎるのがものすごく遅く感じていた。



怠け者...頭が悪い人間...なにやってもダメ...



この日の時間は勉強というより、悪い言葉をずっと発せられていたようなものだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る