1-2:溶け合う週末
土曜日:昼下がりの熱と、溶け合う境界線
ぬるいビールを飲み干したあと、あたしたちはリビングのソファになだれ込むようにして寝転がった。
あたしは、彼の大きめのTシャツとパンティだけの、完全なる『だらけ』スタイル。
昼下がり特有の、気怠くて、どこか眠たい空気。
彼の視線が、さっきからあたしの体に突き刺さっているのがわかる。
じっとりとした、熱を帯びた視線。
あたしは、テーブルの上に無造憂に置かれていた、飲みかけのラムネのペットボトルに手を伸ばした。
わざとらしく、ゆっくりとした動作でソファに仰向けになると、そのラムネの容器を、Tシャツの上から、自分のお腹のあたりに置いた。
そして、きゅっと目を閉じる。
「…………っ」
息を、飲む。
あたしは、ラムネの容器を、お腹からゆっくりと、下腹部の方へ滑らせていく。
薄い布一枚を隔てた、あたしの一番感じやすい場所。
その上で、きゅる、きゅると小さく円を描くように転がした。
「……っ、ぁ……」
思わず、吐息が漏れた。見られている、という興奮が、その感覚を何倍にも増幅させていく。
「……あたしちゃん」
「ん……?なぁに……?」
「……見せてくれるの?」
その言葉に、全身の血が沸騰したみたいに熱くなった。
ゆっくりと目を開けて、彼を見る。
ソファの向こう側から、身を乗り出すようにして、あたしを射抜くような目で見つめている。
「……もうっ、そんな目で、見ないでよ……」
「だって……我慢、できなくて」
彼の手が、Tシャツの裾をゆっくりとまくり上げていく。
もう、どっちからってこともなかった。
あたしが仰向けになって、片足を彼の肩に乗せる。
ゆっくりと、でも確実に、だらだらと、時間をかけて。
「……いきそ……俺君、も……一緒に……っ」
「……うん……いいよ、一緒……いこ……っ」
一番深い場所を強く、長く、押し付けられた瞬間、視界が真っ白に弾けた。
終わった後、あたしたちは抱き合ったまま、しばらく動けなかった。
「……やっぱり、昼間のエッチって、なんか特別だね」
「……うん。静かで、落ち着く。世界にあたしちゃんしかいないみたいで」
その言葉が、たまらなく嬉しかった。
あたしは彼の胸に顔を埋めて、目を閉じた。
だらけきった土曜の昼下がり。
あたしたちは、二人だけで完璧な世界を完成させた。
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