看護師天使ガチャで世界救済! SSR天使が魔王に挑む

ふりっぷ

第一章 看護師天使始動

看護師天使、ただいま降臨中

大天使ガウは、配下の佐和子に静かに告げた。


「──もう、誕生するぞ」


天界の大広間に張り詰めた空気が震え、

視界を覆い尽くすほどの真っ白な光が

あたりを満たした。


雲が裂け、天空に巨大な黄金の魔法陣が

ゆっくりと回転しながら姿を現す。


「SSR召喚──大天使の祝福、発動」


魔法陣の中心から、

無数の翼根のような光の鞘が天空に舞い上がり、

細かな粒子となって渦を巻いた。


やがてその粒子が凝縮し、四つの卵の形に収束する。


その卵は透き通る薄膜に覆われ、

中で小さな光の魂が脈動していた。


「全員SSR以上じゃないですか!不正を疑われますよ」

佐和子は思わず叫ぶ。


「私はちゃんとSSRが出るまで天使ガチャを引き続けた!」

「それで、どれだけの魂の輪廻を止めたのですか?」

ガウは素知らぬふりをして虹色の卵を見つめる。


「後で問題が起きても知りませんからね!」

佐和子は半ば呆れたように息を吐き、

一つ一つ卵を割っていく。


卵が割れるたび、ステンドグラスを砕いたような

色とりどりの光が天に散り、

花びらのように舞い落ちた。


最後の卵はやけに硬く、佐和子は眉をひそめた。


「これだけ、妙に頑丈ですね」

右手に神気を纏わせ、軽く拳を握ると、

勢いよく打ち抜いた。


硬質な音とともに卵が砕け、

中から茶髪ショートの少女が、

両手をばんざいしたまま倒れ込む。


「ほげぇ」

「おやめなさい。美しくない」

ガウは顔をしかめて指を軽く弾くと、


少女は宙に浮かび、卵の欠片ごと再構築され、

元の卵の中に戻っていく。


「やり直しです」

「えぇぇええ!?ちょ、待っ──」


少女の声もかき消され、空間が再び光に満たされた。


その瞬間、天界全体が震え、

大音響とともに光のスタジアムが現れる。

遥かな天の座から、万の天使たちの歓声が響き渡った。


佐和子を中心に、五本の光の柱が天を貫き、

その中から静かに、

四人の少女たちのシルエットが現れる。


「今日ここに──新たな看護師天使が誕生した!!」


宣言と同時に、彼女たちは一斉に姿を現した。

ピンクのナース服に身を包み、

頭上には黄金の光輪が輝き、

背には透き通るような白い翼。


「これが、私の選んだ子たちだ。佐和子、任せたぞ」


ガウは微かに目を細め、

ようやく柔らかな笑みを浮かべた。

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