文字によるスケッチ
沖 夏音
ガソリンスタンドの少女
自転車に乗っている時に見かけた、ガソリンスタンドの少女。
作業服を着た、金髪のショートヘア。後ろ姿しか見ていないから、本当は少年かもしれない。自転車に乗っていた一瞬、私の目を奪う金髪。金髪を揺らして、少女はまるで暇を持て余すようにガソリンスタンドの中で手をぶらつかせて、後ろで手を組み、肩甲骨を寄せながら首を後ろにもたげる。そうして気怠げに、自分の体重が鬱陶しいと言わんばかりに体重を片足に乗せる。
その一瞬が私にはたいそう魅力的に見えた。後ろ姿しか見えなかったけれど、私はその仕草を見て顔までも想像できる気がした。
その日は金髪の少女とガソリンスタンドが頭から離れなかった。
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