第7話 国民的アイドルに寄り添われておやすみ(添い寝) 

◆夜。広い公園。※トラック6の続き

 ※聞き手のセリフは補足的なイメージです


 SE:夜の虫の音(10秒くらい)

 //声の向き:正面 声の距離:普通


「……はあ。楽しかったー。今日は付き合ってくれてありがとね」

「君のおかげで、恋人がどんなものかわかった気がする」

「あったかくて、やさしくて、すごくドキドキする……ふふ」

「やっぱり君に恋人役を頼んでよかった」


 聞き手「映画の撮影はできそう?」


「うん。任せて。きっといい映画になると思う」

「(力が抜けたように)……はあ……でも、ちょっと疲れたかも……」

「少しだけベンチに座ってもいい?」


 SE:衣擦れの音 ※ベンチに座る音

 風奏・左、聞き手・右

 //声の向き:正面 声の距離:近い


「(疲れたような吐息)……ふう」

「あはは、ごめんね。ずっと緊張してたせいか、気が抜けちゃって……」

「ほんとはね、昨日からすごく緊張してて全然寝られなかったんだ」

「デートって初めてだし、どんな風にすればいいかわからなくて……」

「ほんとは、ずっとドキドキしてたの。知ってた?


聞き手「全然そんな風に見えなかった」


「ふふ、そりゃ私はアイドルだもの」

「緊張してる姿を見せないのは得意なの」

「……なんてね。ほんとは君と遊ぶのが楽しくて、緊張を忘れてたの」

「君が昔と変わらなくて、とても嬉しかった」

「昔に戻ったみたいで、今日はずっと楽しかったの」


 //声の向き:正面 声の距離:近い


「でも、今日が終わったら、またしばらく会えなくなっちゃうね」

「なんだかすごく寂しい……」

「もっと君と一緒に遊びたいな。手を繋いで、買い物に出かけて、お弁当を食べて……」

「もし君とほんとの恋人になったら、もっとこんなことできるのかな?」

「…………」

「……私ね、今日、わかったことがあるの……」

「私、恋を知らなかったんじゃないの。ずっと気づかなかっただけなの。いつも君が側いたから、あまりにも君と一緒にいることが当たり前だったからわからなかった」

「私……私ね……」

「やっぱり恥ずかしいから、君にだけ聞こえるように言うね」


 //声の向き:左 声の距離:ささやき


「……私、君のことが好き。ずっと君のことが好きだったの」


 //声の向き:正面 声の距離:とても近い


「ほんとは君に会えなくて、ずっと寂しかった」

「だから、この間、会えてすごく嬉しかった」

「今日も一日恋人として過ごせて幸せだったの」

「……君はどうかな? 君は私のこと好き?」


 聞き手「僕も好きだよ」


「ほんと? 嬉しい……」

「はあ……涙が出そうなほど嬉しい……」

「これからはほんとの恋人同士だね」

「はあ……安心したら、眠くなってきちゃった」

「ねえ……ちょっとだけ君に寄りかかって寝てもいいかな?」


 聞き手「うん。いいよ」

 //声の向き:左 声の距離:ささやき


「……ありがとう。今日はほんとに楽しかったな……」

「映画の撮影が終わったら、またデートしようね」

「今度はどこに出かけようか? カフェで一緒にお茶して……手を繋いで映画を見て……」

「とっても……楽しみ……じゃあ……おやすみなさい……」

「すぅ……すぅ……すぅ……(15秒くらい寝息)」

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