西暦1322年
俺は女をさらって逃げてきた。
都合よく神殿がある。
ここでこの女を好きにさせてもらうことにしよう。
何? 神聖な神殿で何をするつもりかって?
ゴタゴタぬかすな。
どうせ俺ぁ縛り首になるところを逃げてきたんだ。
縛り上げた女を適当に放り投げ、俺は神殿を見回す。
不思議な神殿だった。
普通神殿ってのは何かの神を祭ってるものだ、『神殿』だからな。
だが、この神殿には何もない。
いや、ひとつだけ、ある。
中央に謎の台座がある、特に御神体とかが置いてあるわけでもない。
しけた神殿だ、黄金像でもあれば奪って金にしたんだが。
俺は台座に近づく、台座の四方には碑文の刻まれた板がある。
文字なんて読めない俺だが、不思議とこれは読むことができた。
『これはユニタリボタンである』
『何人たりとてこのボタンを押すことはできない』
確かに台座の上を見ると、ある。
ボタンが、ある。
はぁ? 押すことができないだと?
そんなわけないだろ? ボタンだよ、ボタン。
俺はためらうことなくボタンを押した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます