女子高生探偵・来巻ねむの不可思議事件簿

久世千景

ESIRAN編

プロローグ

 私は、たぶん――日常に、少しだけ飽きていた。

 朝起きて、学校へ行って、授業を受けて、帰る。

 同じ時間に同じ電車、同じ角を曲がって、同じ景色を見て。

 世界はまるで、再生ボタンを押された映像みたいに、昨日を繰り返していた。


 でも、退屈って、別に嫌いじゃない。

 退屈な夜は、とりあえずSNSを眺める。

 他人の写真と、知らない誰かの言葉。

 スクロールする指先だけが、私を現実につなぎとめていた。


 けれど、ある日。

 そのループに、ほんの一秒の“ズレ”が生まれた。

 ――そして、私の退屈は終わった。


 まさか、その小さな“ズレ”が、

 私の人生を変えてしまうほどの出来事になるなんて。

 あの人と出会うまでは、

 ただの平凡な女子高生だったのに。

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