第8話 悪女はドナドナされる

 --???ダンジョン 3階--


「この私がエルフ達を説得してあげるからアンタはさっさと30階に行って宝珠をとって来なさい!」


「……っ 説得なんて出来る存在なのか?平和が一番だとは思うが、そんなこと…」


「……チッ アンタさ、いつから私の保護者になった訳?いい加減うざいのよ。死ねよ、クソブサイク野郎」


「……」


 そう言えば、つい先程に教えて貰っていた事をもう忘れていた。


『きもっ……親切を装って女の子、それもお嬢様に触ろうとか、如何にも童貞らしい発想ね』

 『--人間の女性を親切に扱うのは良くないらしい。』


 人間の女性は親切にされるのが余程嫌なのだろう。今回は親切というより心配だが、似たようなものなのかもしれない。


 今後、自分の気持ちを優先して人間の女性に嫌がられるのはなんだかとても悲しい。


「すまなかった。我ながら自分勝手だったようだ」


「あっそ。じゃあ、私は行ってくるから。2度と気持ち悪い顔を見せないでね〜♪」


 百華はブサ男を罵りながら事もあろうか、後方にいるであろうエルフの元へ元気よく歩いていく。



 --銃声は既に鳴り止んでいた。


 エルフは森の一部であって、こちらの様子などお見通しだったのだ。ノコノコと獲物が狩人に向かっていく姿はさぞ滑稽に映ったであろう。


「30階、行った方がいいのか?」

 二度と顔を見せるなと言われ、それは契約解除という意味なのか、それとも顔を見せないようにすれば良いのか……よくわからない。


 契約解除にせよ、行き場も目標も見失った俺は兎に角、前に進む事にした。



 ◇


 キモいストーカーと別れて獲物エルフ達の方へ向かうと、私の想像通り美男な男共が待ち構えていた。


(右のアイツと、もう一人くらいはアソコを舐めさせる係にしてやるわ)


 物語通り、プライドの高そうな顔をしているエルフの中でも顔のいい奴はアソコを舐めさせる係にする。矜持をへし折られて媚びてくる様子が唆られるのよね……想像するだけで濡れてきちゃいそう。


「ふふふっ、聞いて驚きなさい……私は華族の者よ!そのキミの悪い耳を切断されたくなかったら私の奴隷になりなさいっ!」


 --これで美男の奴隷ゲットォ♡


 女が居れば後で売り捌きましょう。

 きっと、容姿も良いから大儲け出来るはず。風俗店、AV関係、特に大臣にでも売れば今以上に私が高貴な人間として君臨出来る。


「?:&90/!¥/¥&@」


「何語で話しているのよ、顔面偏差値が高いだけの野生児が……!」


 ブサイクではないけれど、普通顔のエルフが近付いて来たから隠し持っていた短剣で股間あたりをブッ刺してやった。


「お前が近付くな!この女神よりも美しい私に触ろうとするなんて不敬よ……いぎゃあああああ!」


 下腹を刺されたエルフがバタリと倒れると、間髪空けつずに銃弾の嵐が百華を襲う。


「あああああああ……!」


「))&,&)¥/&/¥@!&」

「¥¥/8¥2:8¥.¥&/」


 容姿の整ったエルフは一言、二言、話すと地べたに這いつくばる百華へ醜悪な表情を浮かべ片足を鎌で突き刺し森の奥へ引き摺っていく。


(いだい゛、い゛だい……っ!)


 新調したばかりの服を土と血、ふん尿でぐちゃぐちゃに汚しながら心で泣き叫ぶが、誰も応えるはずもない。


 ただ、突然の激痛と不幸に絶望しながらズリズリと荒い地面を背に感じながら意識を閉ざした。



 バシャっ!


 意識を閉ざしてどれくらいの時が経ったのか、冷水をぶっかけられて覚醒させられる。どうやら、広場の中心で裸に剥かれ大木に磔られているようだ。


「あえあああぇえああ」


 --ふざけているわけではない。歯を全部引っこ抜かれていたのだ。


 赤ん坊と同じ発音しか出来ない。


「(;68!()&@(:(¥」

「fun(78¥(:&@!!!」


 人間には理解出来ぬ言語でエルフ達は宴会を開催しているように盛り上がっている。


 事実、エルフ達は久々の肉に祝賀会を開催しているが、百華が知由しるよしもない。


「あえええあああおおお」


 エルフの中でも特に上玉の女性、エルフの女王とでも呼ぶべき存在が百華の目の前にも来ると金髪に染めた髪の毛をブチブチと引っ張り抜いて行く。


「あああああおおおおお!!!」

 毛根から抜かれる痛みや女性の大事な髪の毛を弄ばれる苦痛に泣き叫ぶが、それすらもエルフの余興に変わる。


 これはエルフの伝統的な『踊り食い』であり、百華はきが良い優良な食材と思われている。


「あああおおえええええ」


 泣き叫べば、泣き叫ぶ程にエルフ達は勢いをまし、宴会は盛りがってくるのだ☆


 女王はその姿に歓喜し、より配下達を喜ばせようと股にオークの体液をドボドボと注入する。


「あ!あああ……っ!おおお!」


 --すると数分で悪阻つわりが訪れ、プシューッと、母乳が吹き出した。


「;)¥!?)7&!(57&!」

「;56?¥@(;;)&;/()’n」


 女王の重鎮らしき者達は果実水の入ったグラスにその乳を含めて乾杯していた。


 人間の女性と男性では処理の仕方が変わるが、女性の場合は綺麗に全身の体毛を抜いて、オークの胎児と一緒に食すのが慣習なのだ。


 ———母乳はちょっとしたテイストみたいなものだろう。


 プックリと膨らんだお腹を見て、エルフの女王は満足気に頬を赤らめる。実はこの女王になってから『人間の踊り食い』は初めての催しで、滞りなく宴会が進んでいる事に感激していたのだ。


「おっ、あっ……」

 一方で女王をご機嫌にした最大の功労者である百華は白目を剥いて、涎をダラダラ流していた。


 オークの胎児は母親から大量の養分を奪うため、母体は内部から食い散らかされてしまう。故に、オークの雌が少なくなってしまうのだが……


「?80;&¥288!!!!」


 ここからが本番やで!!……と、言わんばかりに盛り上がりは最高潮になる。


 オークの胎児に栄養を奪われるのが先か、エルフ達が喰らいつくのが先か……



 いよいよ宴はフィナーレに突入して行った。

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