終末を感じるお話でした。

2人の女の子が、閉園になる遊園地に繰り出すお話。昔は栄えていたのに、今となっては閑古鳥が鳴いている寂れた遊園地の描写がリアルでした。やる気のなさそうなスタッフ、埃をかぶった土産、季節感のない商品……。目玉だったアトラクション「魔法をかけたブランコ」の、行列を整理する用のロープが虚しいだけの描写には、思わず苦笑いしてしまいました。
このアトラクションで、ジャングルやその中の鳥が囀る様子、星が空一面に輝く様子が綺麗、本当に寂れた遊園地にあるものなのかなーなんて思いました。
しかし、なんだか不穏な感じがします。さなえちゃんの意味深な言葉、終わりを予感させるセリフ、妙に長く感じるアトラクションの時間、なんだか胸がざわつきながら読み進めると、まさかの展開に。
もしかして、最後だったのはこの2人の関係も? さなえと一緒にいる時間も……? と思いました。
ラストの一文が悲しい余韻をくれます。