第6話 名乗る者じゃない
「な、何だって俺達がどうしょうとアンタには関係ないだろ!」
「(クスッ)別に
他の少年達とは違い、俺の声にもビビらず同時にさり気なく、少年達の背後に守られるように姿を隠した1人の少年。
アイツがコイツらの頭かぁ・・。
「だ・か・ら(クス、クスッ)君には悪いけど、向こうにでも行って別の物を探しなよ」
「ふーん。なら、アンタがその
"さぁどうする?この悪人少年Aよ!!"
この悪天候じゃ、本当の俺の姿を見分けるのは難しいだろうし、8対1なら、どってことねぇな。
「さぁどうしましょうか?どうやら君は、人さまの物を横取りするのが好きみたいですね。そうですねぇ・・もし、どうしてもそうして欲しいのであれば、君の名前を(何かの時に役に立つからな)是非とも教えて下さいよ」
"ナ、何だと!??"
「別にお前らみたいな、クズ野郎に名を名乗るほどではない。それとも俺のせいにでもして、この悪い状況を今すぐにでも離れたいの?」
「くっ!!・・そ、そんなに欲しいならお前にくれてやる。有難く思うんだな」
「「えっ?!でも・・"ほう・・じょ・う・・・」おい!言葉をつつしめ!!」
ほぉ~うら、俺様に喧嘩を売るって事は、
「今夜はお互い、ココで会わなかった事にしてあげるよ」
おい、それは俺の言葉だよ。
「あぁ、今度また会う時は、お前の方が名前を名乗ってもらうさ」
一段と激しく雨が降り出す中、少年達は逃げるようにバラバラに走り去った。
今夜、俺様の本当の姿を見なかっただけでもありがたく思うんだな。
しかし・・本当にコイツは死んでしまったのか?
そっと俺が手を差し出そうとした時、今までグッタリとしていた子犬が薄っすらと目を開いた。
ハスキーのような薄水色した瞳が俺をほんの少しだけジッと眺めた。
そして再び目を閉じた・・。
(まるで水晶玉みたいな、綺麗な瞳だなぁ・・)
「どうやら(良かった)生きているみたいだな。なぁ子犬よ、今夜は特別に俺様の家に連れていくから安心しな」
どんなに冷酷で卑怯な奴と何度言われただろうか。
しかしだ、本当に冷酷でアイツらよりも最低な野郎な俺でも実は、隠れ動物大好きな優しい野郎なんだぞ。
だから・・
|
今の状態の《最悪な状況》この"生きモノ"をこのまま、置き去りなんてできない。
それに、どんなにアイツら人間を騙せてもその瞳は、まさしくオオカミだったんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます