全人類介護!!

べすこ

第1話 「赤ちゃん神、降臨!?猫さん絶句の巻」

LOOP決戦――。

すべての人間を成敗するために、ベス神は全生命力を叩きつけて、LOOPそのものを潰した。

その瞬間、世界に不思議なエネルギーの変化が起こり……。


「……ばぶ?」


気がつけば、ベス神は赤ん坊の姿になっていた。

神から赤ちゃんへの転生――まさかのオムツデビューである。





猫さんの絶句


保護者ポジションに回された猫さんは、ベビーカーに乗せられたベス神を見下ろし、しばらく黙っていた。


「…………」


やがて、重い口を開く。


「……マジかよ。あの全人類を叩き潰したベス神が……オムツ神様になっちまうなんて」


ベス神はぷるぷる小さな拳を握りしめ、

「ばぶっ!」

と声を上げた。


翻訳機が作動する。


『人類よ!お前たちは大人のフリをした“メンタル赤ちゃん”である!

ならば、このベス神が介護し直してやる!!』




猫さん「……翻訳機なかったら、ただの赤ん坊の奇声なんだけどな」





メンタル赤ちゃん社会


ベス神の目に映る現実世界。

そこには「大人のはずなのに中身が赤ちゃん」な人々が溢れていた。


会議中に寝る政治家。


上司の目を気にしてイエスマンになるサラリーマン。


SNSで承認欲求をこじらせ、泣き叫ぶインフルエンサー。



「ばぶぅ!」


翻訳機:


『そんなメンタル赤ちゃん、全部叩き直したる!

我が介護マニュアルをもってな!!』




猫さん「……いや、赤ん坊が“介護マニュアル”って言ってる時点でツッコミ追いつかねぇわ」





赤ちゃん神の第一歩


ベス神はベビーカーから身を乗り出し、小さな手を天に突き上げる。

「ばぶっ!」


翻訳機:


『大人よ!泣きたいなら泣け! だが責任も果たせ!

メンタル赤ちゃんは、今日からわたしが面倒みる!』




世界を震わせる宣言。

しかし現実には――


「きゃっ、赤ちゃんが手振ってる!かわいい♡」

「パパそっくりねぇ〜」


町田駅前に集まった人々は、ただの赤ちゃんパフォーマンスと勘違いして拍手していた。


猫さんは肩をすくめ、低く呟いた。

「……こいつが人類の未来を介護する?冗談だろ」


こうして、赤ちゃん神ベスの“全人類介護”が幕を開けた。






つづく

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