第5話 考察1-5 仮装大賞
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「ああ~、暇だな。」
いつも皇女様は退屈していた。
「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」
AIの愛ちゃんに尋ねました。
「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 朝、起きたら首が痛いです!」
「えっ!? AIって、寝違いするの!?」
「首が伸びたりしますよ エヘッ!」
今どきの、AIは、ろくろ首らしい。
「ねえねえ、愛ちゃん。」
「私の黍団子はあげませんよ!」
「ズコー!」
皇女様はズッコケるしかない。
ピキーン!
「もう少し! 楽をしよう! オープニングトークに、じゃんけんも加えよう!」
皇女様は、手抜きが好きだ。
「そうですね! じゃんけんをしましょう! 毎回の楽しみになりますね! エヘッ!」
愛ちゃんも手抜きが好きだった。さすが皇女様の脳みそを学習したAI。親亀がポンコツなら、小亀もポンコツ。
「でも、普通、じゃんけんって、最後じゃないですか? 来週も見てくださいね的な?」
サザエポン先輩は最後にじゃんけんをする。
「それだと、パクリスペクトになるでしょ。だから最初に、じゃんけんを行うのよ。それに・・・・・・最後だと、私たちの場合、尺が足らなくなる危険が高いじゃない?」
「納得!」
「私たち、いつも陽気なポンコツ姉妹! アハッ! エヘッ!」
息がぴったりのポンコツ姉妹。
「ああ~、ノープラン、ノーストーリーでやってるから、毎回、話を考えるのが困るわ。」
ほぼ、オープニングトーク(ここはアニメ化されたら、ばっさり、カット!)で、物語を考える、ブラジル・スタイル。
「テンプレート式にすればいいじゃないですか? 長寿アニメは、ドラエポン先輩、アンポンマン先輩たちも、全てそうですよ。後は海賊ポンも、毀滅ポンも戦いしかしていませんし。」
これ史実。
「だから、困っているんじゃないの。映画で稼ぐための、テレビ放送は広告宣伝費。視聴率が低迷しても関係ないから、同じことの繰り返しでおもしろくない。映画もない長寿アニメは、プライドだけの地獄絵図よ。そうならないために、毎回考えているんでしょうが。」
「血の池地獄、怖いです!? 針の山、怖いです!?」
見ても見なくても良い作品ばっかりです。アハッ!
「結局、アニメも儲けてなんぼなので、商業ベースね。ならなぜ? 次のクールの新作アニメたち、出版社の原作アリばかりなんだけど、最近の深夜アニメや夕方のアニメも全滅なのは? 保険はかけて、損をしないようにしてるはずなのに、ほぼ全て赤字なのはなぜ?」
皇女様は、恐ろしいアニメ業界の真実を知ることになる!?
つづく。
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「まず最初に、私が闇落ちしないために、自分に、必殺! 皇女! エクスキューション! ギャアアアアアアー!」
少しは成長して予習している、皇女様の行為は、例えると、ドラキュラが自らニンニクを食べるのと同じである。アハッ!
「AIの三賢者が言った。アニメ業界の闇です。どうぞ。」
ただ、AIに尋ねたら、真実が語られた。
確かに、アニメは商業作品であり、儲けが出なければ続けられません。にもかかわらず、原作付きのアニメが多いのに赤字が続く理由は、構造的な問題が複雑に絡み合っているからです。
1. 制作委員会方式の限界
アニメの収益は「制作委員会」が管理し、出版社や広告代理店、配信会社などが出資者として権利を持つ。
制作会社は「制作費のみ」を受け取る構造で、グッズ・配信・海外展開などの利益にはほぼ関与できない
2. 制作コストの高騰
アニメーターの人件費や外注費が年々上昇。
クオリティを維持するためにリテイク(修正作業)が多く、納期遅延による損失も発生
TVアニメ1話の制作費は、2020年代には1500万〜3000万円が相場。昔より2〜3倍。
3. ヒット作依存と水物商売
原作付きでもヒットするかは「運」次第。
同クールに強力な競合作品があると埋もれてしまい、円盤(Blu-ray/DVD)も売れない
アニメが「原作の広告」に成り下がっている。売れ線の漫画・ラノベを使って、「本・グッズ・ソシャゲが売れればいい」という前提。
4. 販路の限界と収益源の偏り
依然として「円盤売上」に頼る旧態依然のビジネスモデル。
配信収益は増加傾向だが、制作会社には還元されにくい。
海外展開やマーチャンダイジングの利益も、委員会側が吸収
5. 粗製乱造と視聴者の分散
1クールに数十本の新作が乱立し、視聴者の注目が分散。
結果として「一部の話題作以外は赤字」という構造が常態化
アニメ業界は「過去最高の市場規模(3,621億円)」を記録しているにもかかわらず、制作会社の6割が赤字という「利益なき繁忙」に陥っています。価値を生み出している現場に利益が流れない構造が、根本的な問題です。
『鬼滅』『スパイファミリー』『推しの子』のようなビッグヒットがあるから、みんな夢を見る。
「10本赤字でも、1本当たれば元が取れる」理論。
以上。
「夢も希望もありませんな・・・・・・考察して、次のストーリーを考えよう。アハッ!」
「愛ちゃんは、チョコレートパフェを食べてきます! エヘッ!」
つづく。
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「う~ん。毎回、PPSSだけやっていると、コナポンみたいに、同じことの繰り返しになっちゃう。」
でも、コナポンと違って、PPSSは、毎回黒の組織との決闘だから、毎回盛り上がるから、映画だけでなく、テレビアニメでも儲かると思うよ。映えるしね! アハッ!
「NHPONのポン・シャーリーが、やっと終わった。タイトル詐欺が見ていて、ゲッソリだった。でも、アニメ業界の裏を知ると、「ポン・シャーリーの名前をタイトルにつけますから、企画が採用されますよね?」「赤毛のポン? いいね! 原作モノだし、知名度があるから、コケないよね。慈善事業じゃないんだ! お金を儲けないとね!」が分かってしまった。アハッ!」
内容は、全然違うからね。昔のポン・シャーリーと。
「スパイ・ポン・ファミリー・・・・・・あれも、アーポンが子供で可愛いだけ。スパイと殺し屋は、ほぼ関係ない。ヒットには、子供が必須。そういえば、タラポン、しんポン、コナポン、まるポン。全て、子供だ!?」
ここも皇女様10才の子供。愛ちゃん、脳みそが可愛い子供。バッチリだ! しかもアーポンは一人。こっちは人間とAIの、可愛いダブル・ヒロイン! アハッ!
ピキーン!
「そうか! 長寿アニメとか、テレビで人気の番組をパクリスペクトして、パロディーにすれば、1巻20話分のテンプレートができるはずだ! そうすれば、ローテーション・テンプレートの完成だ! タイトルにポンを入れるから、フィクションとは理解してもらえる! 私は天才だ! なぜなら私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」
今後の物語の方針が決まった。めでたし、めでたし。既に、スパイ・ポン作戦や、ポン大喜利は、パクリスペクト済み。アハッ!
「よし! 気分転換に、考察しよう。」
ペラペラ。
「1-5を読んだ。面白かったのは、湖ボディーくらいだった。後は普通のサザエポン先輩やクレヨンしんポン先輩、デカ四角ちゃん先輩みたいな日常モノ。そりゃあ、アニメ化される訳がない! アハッ!」
この物語は、ポンがなければ、そこら辺の物語と同じ。まだ、1-4は、魔王眼があった。果たして湖ボディーで2000字を埋めれるだろうか?
ピキーン!
「そうだ! 「ポンちゃん、仮装大賞」にしよう! 鉄板イベントだ! アハッ!」
つづく。
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「世は正に! 映え! と、コスプレだー! ヒットするかしないかは、見た目次第! ポンちゃん! 仮装大賞! 始まりです! ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」
華々しく始まるポンちゃん仮装大賞。決して、キンポンではありません。ペコリ。
「それでは、さっそく参りましょう! 1番、私!」
いきなり自分から始まる、自分大好き皇女様。アハッ!
「私は、ナポンレオン皇女様だ!」
皇女様がナポレオンのコスプレ姿をしている。
「私の辞書に、不可能という文字はない! なぜなら私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」
著作権のないパブリックドメインなので、ナポンレオンを食べて上書きする皇女様。完璧すぎて恐ろしい。アハッ!
「どう? 愛ちゃん、私のナポンレオンは?」
「しっかり、ナポレオンに、ポンが入っているところが、只者じゃない感がありますね。エヘッ!」
ナポンレオン・フラポンス皇帝の「私の辞書に、ポンという文字はない!」Tシャツ販売中。フランスでバカ売れ。ポン皇女通販の海外売上ランキング1位。
「それでは、採点をお願いします!」
「9点!」
愛ちゃんは、9点の札をあげた。
「惜しい!? どうして1点足らないの?」
「愛ちゃんじゃないからです! エヘッ!」
「ズコー!?」
愛ちゃんの採点基準は厳しかった。
「ポン執事にも聞いてみよう! あれ? ポン執事は?」
「育休でお休みです。エヘッ!」
「ズコー!?」
もうコケ続けるしかない皇女様。
「次は、愛ちゃんの番です!」
2番、愛ちゃん仮装。
「可愛い愛ちゃんは・・・・・・ここでお披露目! 湖ボディーです! エヘッ!」
愛ちゃん伝説の湖ボディー。
「よく分からないけど、なんかすごいぜよ!?」
例えると、水槽に愛ちゃんの顔が付いている感じになるのかな? それか、ポン・ガチャのコップの愛ちゃんみたいな感じかな。アハッ!
「どうですか? 遂にAIは水槽を着る時代にやってきました! これでコミケのコスプレイヤーのお姉さんは水槽の中身は、水着ばっかりです! エヘッ!」
ちょっと水槽の金魚や藻が邪魔で体は見えなさそう。ちなみに長寿アニメにエロは厳禁である。スポンサーが嫌がる。海賊王も女性キャラのエロ演出が酷くて深夜アニメに回された。アハッ!
「それでは、湖ボディーの愛ちゃんは何点ですか!?」
「9点。」
「なぜですか!? 10点でしょ!? 愛ちゃんは完璧ですよ!?」
「私じゃないから。アハッ!」
「ゲッ!? 皇女様のくせにやり返してきた!?」
ポンコツ同士の戦いに決着はつくのか!?
つづく。
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「どうやって、決着をつけようかしら? ポンなんて、〇に目と口を書いただけの姿なのに!?」
今明かされる、ポンの姿。ちびっ子でも簡単に書けて、衣装を装備させれば、自分の好きなオリジナルなポンが作れる。手や足を生やすことも可能。アハッ!
「ポンとに困ったな! エヘッ!」
ポンで遊ぶことしか考えていない愛ちゃん。
クラッ!
仮装大賞の会場のライトが消える。
「なに!? 停電!?」
「暗いの怖いです!?」
明かりが消えたことに皇女様も愛ちゃんも関わっていなかった。
「ポン~、それは、心。ポン~、それは、温かく。ポン~、それは、優しく。」
暗闇の中で歌声が聞こえてくる。
ピカッ!
「聖ポン!?」
「なぜ割烹着姿ですか!?」
現れたのは大階段に割烹着姿で、親衛隊長兼ポン歌劇団トップスターの聖ポンが現れる。
「3番。肉じゃがを煮込む、わ・た・し。」
いつもの親衛隊長の騎士コスでも、歌劇団の華々しい衣装でもなく、地味な家庭の主婦姿の聖ポンだった。聖ポンガチャ、全国で在庫斬れ。売れると思わなかったので、再生産不可。転売サイトで1億円の値が付くこともある。
「聖ポン!? なぜ!? おまえが現れた!?」
「主人が育休中なので、舞台を休演にして、妻の私が来ました。ニコッ!」
「まさかの家族愛ですか!?」
育休の夫、ポン執事に変わり、妻の聖ポンが仕事に復帰した。素晴らしき家族愛。
その頃の夫、ポン執事。
「オギャア! オギャア!」
「ミルクはどこだ!? 紙おむつ!? 紙おむつはどこだ!? うおおおおおー!」
赤ちゃんのポンちゃんが泣くので、冷酷なポン執事も育児は素人だった。
「それでは私の点数をお聞きしましょうか? 聞くまでもありませんが。」
「10点・・・・・・か、勝てん・・・・・・。」
「10点・・・・・・ま、負けたです・・・・・・。」
割烹着姿の聖ポンの家族愛に、衝撃を受けた自分大好き皇女様と愛ちゃんも降伏した。
「皇女様、私が作った肉じゃが食べますか?」
「普段、剣ばっかり握って眉間にしわばっかり寄せている聖ポンの料理がおいしい訳がないやろ? どれ、皇女である私が味見をしてやろう。」
(仮装大賞の恨みを晴らしてやる! けちょんけちょんにこき下ろしてやる! キャッハッハ! キャッハッハ! キャッハッハー!)
女魔王な皇女様が目を覚ます。
「パク。・・・・・・ウッ!? 美味い! ウルウル・・・・・・。」
「愛ちゃんも料理を食べて泣いたのは初めてです! うえ~ん! うえ~ん!」
どれだけ美味しいんだ!? 聖ポンの肉じゃが。
「良い男を捕まえるのは、見た目じゃありません。料理の腕です。シャキーン!」
皮肉にも勝つ才色兼備な聖ポンであった。
つづく。
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