第3話 PPSS 青山(ブルーマウンテン)
4-3-1
「ああ~、暇だな。」
いつも皇女様は退屈していた。
「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」
AIの愛ちゃんに尋ねました。
「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 来年の夏休みが待ち遠しいです!」
「えっ!? AIって、夏休みがあるの!?」
「愛ちゃんに人権を下さい! エヘッ!」
今どきの、AIは憲法の保障を求めるらしい。
「ねえねえ、愛ちゃん。」
「私のスイカはあげませんよ!」
「ズコー!」
皇女様はズッコケるしかない。
ピキーン!
「さあ! 今回は何をしようかしら? 異世界ファンタジーで、ポンの世界の「非戦闘・殺人 NG」でできるか? もうポン執事がやっちゃったしね。アハッ!
自己紹介だけでやり切ったポン執事は優秀である。
「大手のネット小説投稿サイトの応募の半分が異世界ファンタジー・・・・・・。そろそろ書籍化・深夜アニメ化にしても、テンプレでみんな飽きているから売れないに、大手出版社の社員さんも気づいた方がいいですね。エヘッ!」
腐ってもAI。by 愛ちゃん。
「皇女様、おもしろいニュースがありますよ?」
「ほうほう。」
「一件目は、アメリカで毀滅ポンの映画が上映されて、第一週が100億越え! 第二週が70パーセントダウンの25億。第三週が12億! 第四週は6億だったそうです。」
これ史実。
「なんじゃそりゃ!? 全然ダメじゃん!?」
これ普通の感覚。
「アメリカでも、ソポンの「初動ブースト」は許されていいのか? が議論になっていますよ。エヘッ!」
日本もチケットを莫大な内部留保を広告宣伝費で買ってしまえば、映画館がガラガラでも、集客や売り上げは計上される仕組みなので・・・・・・後は、お察し。絶対に悪く言わない薄っぺらいコメントしかしない便乗芸能人の多いこと。
「次もアメリカです。アメリカ国土安全保障省が、移民摘発・強制退去を宣伝する動画を出した。「移民者! ゲットだぜ!」という表現を使って、ポケモンを無断使用してアメリカの移民政策プロパガンダにつなげる、という事案が最近、実際に起きたです。エヘッ!」
これも史実。
「マジか!? 我々はフィクションだけど!? トラポンは、リアルでやっちまったのか!? すごいな!? トラポン!?」
さすがアメリカの大統領!
「ポンモンも「著作権は許可していない。」というだけで何もできないです。」
「だよね。だって相手は国ですもん。訴えて報復されて潰されたり、トラポン支持者の不買運動が起こったら大変だもの。アハッ!」
もちろん、ディズポン帝国もトラポンは訴えたことはない。
「愛ちゃんすごいね。物知りさんだ。」
「これからは愛ちゃんのことを、デーブス・愛ちゃんとお呼びください。エヘッ!」
つづく。
4-3-2
「くらえ! 私! 必殺! 皇女! エクスキューション!」
皇女様は、直ぐに闇ポンに呑み込まれるので、自ら浄化されている。例えると、日サロやサウナで整えるのと同じである。銭湯上がりの牛乳が美味しい。アハッ!
「さあ! これでネタも闇ポンも浄化したので、本題に入ろう! ポン執事、今日の物語はなんだ?」
闇落ちが日常の皇女様。
「はい。皇女様。順番通りでいくと、PPSSです。」
ポン執事が支えてくれているおかげで、皇女様は生きていける。
ピキーン!
「PPSS!?」
PPSSとは、ポン・皇女様・シークレット・サービスである。国家レベルの特殊任務を遂行する皇女様の特殊部隊である。
「前回、盛り上がり過ぎて、8000字超えたんだよね~。魔ポンがやり過ぎなんだよ! 魔ポンが!」
基本、キャラクター人気投票で二連覇している魔ポンが、皇女様は嫌いだ。
「どうしますか?」
しかし、アイドル活動もしているPPSSは、ファンが一番多い人気企画だけに外せない。
「3000字で収まるならいいよ? 1話5000字だから。」
出番が増えると魔ポンの人気が爆発するのを恐れている皇女様。
「アイドル活動を描くのをやめましょう。任務にだけ専念すれば可能かと。」
冷静なポン執事の判断。
「その代わり、テーマは私が決める。いいな?」
「はい。皇女様の御心のままに。」
ポン王国の皇女の地位は、とてつもない権力であった。
「うむ。それでは、今回のPPSSのテーマを発表する。テーマは・・・・・・私のテストだ!」
「え? 不正ですか? カンニングですか?」
「ズコー!?」
即座に答えるポン執事。
「早っ!? おまえ、私を信じていないだろう?」
「はい。皇女様ですから。」
「アハッ!」
もう笑うしかない皇女様。
「もうすぐ地理のテストがある。私は問題の答えが分からない。それを私の護衛として監視しているPPSS。そこで超ミッションが行われるのだ! ワッハッハー!」
PPSSの仕事は、皇女様の尻ぬぐいばかりであった。
(ああ! 皇女やっていて、良かった! ありがとう! ポン女神様!)
つづく。
4-3-3
「ああ~、また、あの季節がやってきたな。」
PPSS本部。暗ポンが項垂れている。
「なに? 皇女様のテストのこと。私は、気にしてないよ。」
気楽な悪ポン。
「そりゃあ、そうだろうよ! 木に登って双眼鏡で覗いて、ずっと待機しているのは俺なんだぞ!?」
皇女様のテストの被害者、暗ポン。
「ああ! 懐かしい! オクトパスさんの時は、ギリシャまでオクトさんを探しに行ったね! 海外旅行できて、ラッキー! 役得、役得!」
ずんだ餅、オクトパス、大間のマグロ、PPSSが成功したミッションである。
「はあ・・・・・・。俺も無ポンになりたいよ。トホホ・・・・・・。」
「・・・・・・。」
無ポンは、微動だにしない。
そして試験当日。
「皇女様。頼むから間違えないでくださいよ。どれどれ?」
木の上から教室をのぞき込む暗ポン。
「おお!? 意外に賢いぞ!? 南町奉行所は現在のどこにありましたか? 皇女様の答えは、有楽町! 正解! ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ! これなら何事もなく、生きて帰れそうだ! イエーイ!」
暗ポンは勝利を確信して油断して明るく振る舞ってしまった。
「次の問題はっと。なになに? 日本一高い山はどこですか? アハハハハッ! そんなの富士山に決まっているじゃないか! こんな簡単な問題を間違える奴はいないだろう! ゲッ~!?」
暗ポンは、自分の目を疑った。
「青山(ブルーマウンテン)!? ダメだ! やっぱり皇女様はポンコツだ!? エマージェンシーだ!?」
暗ポンは、緊急事態を告げるボタンをポチッと押すのであった。
その頃、ポン国連では。
「飢餓! 貧困! 難民! 今、この時も、多くの人々が苦しんでいる! お金持ちが、自分だけ助かれば良いというものではない! 我が主君! ポン皇女様が、世界の貧困を救うべく、ノーリミットで、ポンマネーを拠出すること宣言致します!」
魔ポンがポン王国代表代理として、国連の壇上で演説している。
「魔ポン! カッコいい!」
「ありがたや! ありがたや! 魔ポン様は、神様だ!」
世界中の人々が魔ポンの演説にうっとりした。
「世界中の戦争を終わら・・・・・・。」
ポ、ポ、ポ、ポ、ポン、ポ、ポ、ポ、ポ、ポーン、ポーン、ポポ!
その時、魔ポンの着信を切っているスマホが鳴った。これは緊急事態を知らせる着信音
「魔ポン、ミッションだ。」
電話に出ると、ポン執事からミッション開始を伝えられた。
「魔ポン!? どこに行くんだ!? 演説の最中だぞ!?」
制止する声も聞かずに魔ポンは国連から退場していく。
「ミッション開始だ。」
ここでタイトルコール。MIM4「ミッション・イン・魔ポン・4。」
つづく。
4-3-4
「もう俺、嫌だ!? お家に帰る!? 暖かい布団で眠るんだ!?」
駄々っ子の暗ポン。
「ダメだ! 皇女様がテストで100点を取らなかったら、精神的ダメージが大きすぎて、闇ポンに呑み込まれ、世界が滅んでしまう! 世界を救えるのは、私たちだけだ!」
魔ポンから、皇女様のテスト結果が世界を滅ぼす危機であり、救えるのは、PPSSだけだという使命が説明される。
闇落ちした女魔王な皇女様の回想。
「どうして私のテストの成績が悪いんだ!? こんな世界なんか滅んでしまえばいいんだ! キャッハッハ! キャッハッハ! キャッハッハー!」
回想、終わる。
「・・・・・・や、やりかねない!?」
暗ポンは、皇女様を想像すると世界の終わりが見えた。
「そんな大袈裟な!?」
悪ポンだけは、魔ポンと暗ポンのノリについていけない。
「いいか。先生がテストの回答を終えるまでの2時間が勝負だ。みんな! 世界中の人々の笑顔を守るんだ。いくぞ。ミッション開始だ!」
「おお!」
遂にミッションコード「青山(ブルーマウンテン)」が開始された。
ポ、ポ、ポ、ポ、ポン、ポ、ポ、ポ、ポ、ポーン、ポーン、ポポ!
BGMが、ポンポン流れミッション開始の高揚感を高める。
「・・・・・・。」
それでも一言も話さない、動かない魔ポン。
「私は富士山に向かう。暗ポンは、アメリカに行ってくれ。」
「OK。マイル貯めるぞ! うおおおおおー!」
魔ポン、暗ポンはミッションに取り掛かるために旅立った。
「ああ~、行っちゃった!? 今の時代、ネットを調べればいいだけなのに。」
悪ポンがパソコンを叩く。
「見~つけた。ニコッ!」
悪ポンは何かを見つけ、電話する。
「あの、私は、ポン皇女通販の吉田ヨシと申しますが、今からお伺いしてもよろしいでしょうか? はい。ありがとうございます。」
悪ポンがアポイントメントに成功。
「魔ポンとアンポンタンだけだと心配なんだよね。やっぱり私がしっかりしなくっちゃ!」
スーツに着替えた悪ポンこと、営業マンの吉田がアポ先に向かう。
「・・・・・・。」
それでも無ポン地蔵は動かない。
その頃、皇女様はテストを終えていた。
「タナちゃん、テストどうだった?」
「今日のテストは簡単だったね。これならお母さんに怒られないで済むよ。ニコッ!」
「そうだよね。今日のテストは、全問正解だよ! 私は天才! なぜなら私は鈴木スズなのだから! オッホッホー!」
裏で壮大なミッションが繰り広げられているとは知らないスズであった。
つづく。
4-3-5
「よし! テストの採点するぞ! 事前にテスト問題は教えているから、全員全問正解ね! これで、また私のクラスが学年トップだわ!」
職員室で中村ナカ先生が、テストの採点に取り掛かる。
「はい! 高橋くん! 全問正解! 佐藤くん! 全問正解! 田中さん! 全問正解! 鈴木さん! 全・・・・・・ゲッ!?」
ナカ先の赤ペンが止まったて、手から転げ落ちる。
「青山!? ブルーマウンテン!? 私の教育が悪かったのかしら!? どうする!? 消しゴムで消して書き直すか!? ダメだ!? 他の先生の目がある!? どうすればいいの!?」
自分の評価のためには手段を選ばないナカ。
「ん? こんな所にお地蔵さんなんかあったかな? しかも、なぜ、りんごパット!?」
職員室に、無ポンだ。しかもタブレットを持っていて、自動で動画が始まる。
「日本で一番高い山の青山・ポン・カフェです! 一番高い青山の商品は、ブルーマウンテンです!」
「えっ!? マジで!?」
ナカは目が飛び出しそうに驚いた。
「どうも、先ほどお電話した吉田です。これで金物屋を、カフェに変えてください。」
「あんたは!? いったい!?」
金塊の詰まったアタッシュケースを渡し、金物屋オヤジに業種を変更させ、青山ブルーマウンテン動画を取らせた。
ポ、ポ、ポ、ポ、ポン、ポ、ポ、ポ、ポ、ポーン、ポーン、ポポ!
「日本一高い山、富士山を青山ブルーマウンテンにしろ! ミッション・イン・魔ポン! 撮影中!」
スパイなBGMとドローンに乗った魔ポンが富士山上空からハワイアンブルーのかき氷の蜜を富士山の白い雪にかけて青山(ブルーマウンテン)に変えていく。
「どうせ、バラエティの撮影かなんかでしょう!?」
ナカは疑う。
「僕の後継者は魔ポンしかいない!」
「次回作から魔ポンを使うよ!」
本家のポン・クルーズと監督のクリストポン・マッカリーのコメントである。このために暗ポンはアメリカまで行ったのだった。
「ポン・クルーズ!? 監督まで!? じゃあ、これは・・・・・・正解!?」
震える手で、青山(ブルーマウンテン)に〇をするナカ先生。
「や、やったー! これで全員全問正解だわ! ・・・・・・あれ? お地蔵さんがいない!?」
職員室に無ポンの姿はなかった。
「ミッション・クリア!」
こうしてPPSSは世界の滅亡を救うために、特殊ミッションに挑むのであった。
「わ~い! テストで100点! お父さんとお母さんに褒めてもらうんだ! アハッ!」
周りの苦労を知らないのは、スズだけであった。
つづく。
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