第35話

アラタが接近すると宇宙海賊達はすぐに散開する。

だが、基本スペックがそもそも違うのだ。

その程度では排除するのに何の障害にもならない。

アラタは最も近くにいる宇宙海賊から確実に排除していく。

各個撃破していく形となり宇宙海賊を全て排除するのにそう時間はかからなかった。

「こんなもんか・・・。思ったより早く片付いたな」

「アラタ。そういうことを何ていうか知ってる?」

そう、ナナが茶化してくる。

「何ていうんだ?」

「フラグって言うのよ」

「フラグ?そんな馬鹿なこと・・・」

そこにバルブンテから通信が入る。

「アラタ。悪いがすぐに戻ってくれ」

そう言うと同時にデータが送られてくる。

そのデータは輸送船団が複数の宇宙海賊に襲われていることを示していた。

「あっーあっ。だから言ったのに・・・」

「文句については後で聞くからすぐに戻るぞ」

アラタはAIの指揮するステラに指示を出し救援の為に輸送船団との合流を目指した。



「はっぁ・・・。ついてないぜ」

バルブンテが思わずそう呟く。

「いやぁ・・・。あそこまで襲われるとか思わなかったな」

アラタはそう言葉を漏らす。

工業プラントミトラに到着するまでに輸送船団が宇宙海賊に襲われた数は実に10回を超えていた。

「まぁ。その分稼がせてもらったけどな」

宇宙海賊を倒せば倒すほど討伐報酬が入ってくる。

ストレージの回収はほとんどできなかったが、これだけの数を討伐すれば収入としてはかなりのものだ。

「アラタ。悪いがしばらく俺達は休ませてもらうぜ」

「了解した。こっちもしばらくはのんびりやるさ」

「おう。今回は助かったぜ。機会があればまた組んでくれ」

そう言ってバルブンテからの通信は切れた。

「ああは言ったけどこれからどうするの?」

「点検して問題がなければ周辺の宇宙海賊狩りかな?」

「それってのんびり?」

「今回の護衛任務で課題も見つかったからね。何をするにもお金が足りない」

「確かに・・・」

今回の護衛で思ったのは戦力が足りていないということだ。

数で補うにしても換装して装備を充実させようにも今の手持ちでは心もとない。

結局のところお金を稼ぐ必要があるのだ。

「はじまりのコロニーよりは宇宙海賊の討伐料も高いから頑張って稼がないとね」

「了解。でも、無理はしないでね」

「わかってるよ」

アラタにとっては生活費を稼ぐ必要性も今はないのだ。

ゲームで体調を崩すのも馬鹿馬鹿しい。

適度に休憩しつつゲームを楽しむ。

その中で効率を求めて動いていくつもりだった。

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