六章 配管工ブラザーズ?

第32話 このパーティのメンツやばくね?やばいですよね?所で、今後の方針はいかがいたしますか?四天王のローストで、畏まりました。

 帰宅して、すぐに起き上がる。体の調子は悪くないし、別にどこにも問題はない。何だか、精神体で旅をしていたって言うのは不思議な感覚だった。夢を見ているというか、それにしては良くできている明晰夢?とかそういう感じかな。階段を下りて、すぐ天使がこっちにパタパタ駆け寄ってくる。

「あぁ…平突神~!お帰りなさい、やはり神になれたんですね~!」

「そんなに愛情表現するタイプじゃないだろ?!急に犬みたいに接しないで?!」

「妾は天照大神だよ!よろしくね?」

「天照大神様~!お初にお目にかかります~!よろしくお願いします~!」

「え?何で驚かないの?!普通驚くよね、この喋り方!」

「いえ~?特段驚かないですよ~?妹属性が付いている平突神でしたら~このぐらい当然ですもんね~?」

「やめろ!!妹属性とか言うな!!」

「本当の事言われてツッコんでる…どうなの?平突。本心を隠すなんて僕悲しいよ…。」

「お前は親友が神になった、と言われた状況を普通に受け入れるなよ?!」

「そうだ、天照大神様?現人神になった事で俺は何か変わるんですか?」

「お兄ちゃんは何も変わらないよ?変わるのは存在だけだよ?」

「あぁ…そうですか…。」

「何?!期待してたの?平突!女風呂除き放題とか思ってたの?!」

「元の世界に帰れるかなって思って。無理でしたか。」

「いや、放置しないでよ?!僕の事、放置しないでよ?!」

「鬱陶しい!そんな"俗世的"な事はしないだろうが?!」

「"属性"は付いているのにか?おかしなことを言うな?我は別に人間だったら正常な事だと思うのだが?」

「なんで上手い事言ってるんだ?!おかしいだろう?!」

「お兄ちゃん…妾の裸みたいの?妹なのに…。」

「すっごいなりきり?!まるで俺の想像を覗いたかの様な設定の仕方!!」

「平突神よ、元の世界に帰るというのは諦めてなかったのですね?」

「うん?全然諦めてないけど?!寧ろこの世界で一生過ごす事を考えてなかったけど?!」

「ツッコみ現人神が誕生したことで、日本人は大騒ぎであろうな?今頃、どこかの土地で祀られているであろう?」

「そんな急に祀られても怖いけどね?!」

「お兄ちゃん?次の標的だけど、これだよ?」

「……?!その鏡、そんな使い方があるのか?!」

 鏡に映った標的は…配管工の兄弟。人間でした、はい。何だか危なそうな設定で本当に触れるだけでも怖いってのに…。せめて妹にしてくれたら良かったよ。ん?俺が妹属性が付いているからじゃないよ?ねぇ?聞いてる?

「この兄弟は各地で配管工をしながらボケをかましているの!だから、お兄ちゃんたちと一緒にやっつけに行くよ?」

「うん、俺、行動指針を決めた事がない!なんで俺が主人公のはずなのに…。」

「貴様、いつから自分が主人公などと錯覚していた?我が思うに、この物語の主人公はここに居る全員であろう。」

「急に喋り出したと思ったら主人公ポジションをかっさらって行ったよ。この人怖いよ。」

「平突?僕も主人公だからね!なんでも聞いてね!」

「それギャルゲーによく出てくるモブじゃねぇか?高感度メーター管理してくれるモブだろ?お前モブじゃねぇか。」

「酷い平突…デートイベントの時とかチケットあげたりしたのに」

「架空のデートを引き起こすな?俺はどの世界でもデートしたことないぞ?」

「…。お兄ちゃん…妾がデートしてあげるから!行こうね?」

「うん、行こう?どこにでも行こう?」

「平突?!優しくされてもう、平突がおかしくなってる?!」

「む?そう考えると何が我と違ったのだろうな?我も優しい言葉を投げかけたつもりだったのだが?」

「話が進まないです~…。今までとポジションを変えましょう~!所で配管工の兄弟はどこに居るんですか~?」

「そうだった!大切な事を忘れてた!配管工の兄弟が居るのはね?」

 ここ、そう言って鏡を指す。え?なにこれ、スマホ?マジで便利すぎでしょ。うん、便利だけど…どこか分からないね?!この世界がどこまで行っても山がある以外まっ平なの忘れてたね?!

「この街…何処にあるの?」

「ここから東に歩いて行けばあると思うよ?」

「そうか…じゃあ、歩こうか?」

「今帰って来たばかりなのだが?もう少し時間をおいて…後三千年ぐらい置いてからでも良いであろう?」

「その時間間隔だと俺らはミイラになるんだわ?!というか、神様関連じゃないと本当に…やる気ないな?!」

「平突神よ?私は問題ないですよ?」

「僕も問題ないけど…ちょっと精神が消耗してるかも?なんだか、ボケが上手い事噛み合わない!」

「それは別の問題だよ?平突お兄ちゃんが現人神になった事でボケ成分が失われて行くからね?」

「死活問題だ?!僕のアイデンティティーが消えちゃう!!」

「お前って、ボケしかないのか?!」

「逆にツッコみに回っちゃう恐れが出て来たよ?」

「な、な、なんでやねん!!」

「そんなお前になんでやねん!!」

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