第15話 拠点の決定。え?そんな方式で来るの?初めて見たかも。

 儂爺さんが住んでる家…ではないのか。使っていい家?空き家?にしては凄く広い。しっかりしたリビングがあって、キッチンにダイニング…部屋が、三部屋?!これ…3LDKって事?!

「パンパカパーン!やりましたね~?」

「あれ…?今まで気づかなかったんだけど、それなんの音?」

「これですか~?天界に伝わるラッパですよ~?」

「世界を破滅させると噂の?!そんなの吹くな?!」

「天使が世界を破滅させてどうするんですか~?どっちかというと~体積が有限で表面積が無限ってだけですよ~?」

「それは数学の問題だろ?!そのラッパ自体に何か意味はないのか?!」

「そうですね~?吹くだけですよ~?吹いたら相手は死にます~?」

「それ、世界を破滅させる力と一緒じゃねぇか?!吹いたらダメじゃねぇか!」

「hey!hey!平突!yo!yo!よくも僕を置き去りにしたね!」

「お前…。置き去りで目覚め?折り合いは付いたか腑抜け?」

 起きてすぐに俺の事を馬鹿にしてくるんなんて…。やってやるぜ、"正拳"(こぶし)で。ポカリ。よし、これですっかり綺麗になったな。

「これからの方針はどうすればいいんだろうな?」

「何も無かったかのように進めないでよ…。僕、渾身のボケだったのに…。」

「あれが…か?いつも通りのボケ…よりクオリティ低くないか?」

「きっと"混信"になってしまったんです~。」

「ボケのチャンネルが重なったって?やかましい!!受信できないのに喋るんじゃない!!」

「本題なんですけど~。これからは神を救いに行きましょうよ~?」

「急に本題に入るな?!それで…?」

「きっと面白いものが見れますよ~?」

「そうじゃな?儂もそれに賛成じゃ!」

「いや、儂爺さんは入って来るなよ?!ていうか、ついてきたら死…ぬ世界では無かった。」

 別に攻撃されるのも"ボケ"で攻撃されるだけだし。ナイフを使って刺してくる、俺にではないけど。セト神のみ…か。もしかしたら、神はこうやって万能な…万能な…?万能な……。天使?を置いて行って…。うん、ツッコみの仕事が増えるだけなんだよな。

「魔王を倒しに行くのはどうなる?」

「そうですね~魔王はどこにいるか分からないですし~。」

「いや、魔王城じゃないの?」

「そうなんですか~?ランダムエンカウントですよ?」

「は?!そんな仕様あるのか?!煩悩天王(四天王)の中には居なかったのか?」

「ええ、居なかったんです~!なので、魔王城には行ってもらう感じにはなるかと~?」

「ランダムエンカウントなのに魔王城はあるのか?!要らなくねぇか?」

「拠を構えることが重要なんですよ~?」

「"寝城"だね!寝るためにある城…どんな豪華なお城なんだろう?!」

「新しい言葉作らないでくれるか?!"根城"だから。まぁ…合ってるか?寝るだけなんだから。」

「次は~!アトランティスです~!」

「なんでそんなにポンポンと古代文明みたいな物が出てくるんだ?!」

 アトランティス…。神…?どんな神なんだ?水の都だと…ウンディーネ?外洋の神とかは当てはまらないだろうな。まぁ、分からないけど。

「罔象女神 (みつはのめのかみ)という神なんですけど~?」

「知らない!圧倒的に知らない!何故?日本の神話のはずだ?!」

「自国の神に興味を持たれる方は圧倒的に少ないのです~。」

 そうなのか…。確かに、海外の神は多少なりとも覚えているのに…。どうして日本の神は覚えていないんだろう?まぁ、勉強してこなかったというのもあるのかもしれない。というか、それしかない。

「では、会いに行ってみますか~?」

「そうだな~…って場所はもう特定済みだと?」

「そうですね~大体は分かりますよ~?」

 ハイスペックなのにハイスペックじゃないみたいな?残念な感じ、なんだよな…。腑に落ちないけど、今は頼るしかないよな。でも、アトランティスは綺麗な水の都として有名だ、という話は聞くし。実際に見れるなら見て見たい気はするな、うん。

「綺麗かどうかは自分の目で確認してください~!」

「え、何その自己責任で、みたいな感じ?!」

「平突?きっと魚人で溢れてるんじゃない?魚人!」

「居る訳ないだ…ろ。そうだ、この世界にはゾンビも居る。という事は…。」

「居ますよ~?魚人~!」

「ネタバレなんじゃないか?!」

 そもそも…水の都がどうとか以前に、俺は海洋恐怖症なんだけど。いや、水の都だから、海洋じゃないから。海洋の中で魚人の群れ…。ひぃぃぃ?!怖すぎる。暗い中に怪しげに光る眼、顔を近づけて見てくる視線、なんだ?妙にイメージが湧く…そんで怖いんだが?!

「まぁ~そのうち分かります~!では、向かいましょう~!」

「平突!行くよ~?」

「にやにやすんなよ?!魂胆が丸わかりなんだよ?!」

「そうかな~?僕は平突をおも…ちにしたいんだ!」

「お前をぺったんぺったんしてやろうか!」

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