ある薬開発の博士の話(F/F、ギャグ、パドル)
この世界では女性へのスパンキングが日常の一部だ。
懲罰であり愛情の確認でもあり、その文化に合わせて、打ち身や痛み止めなど“スパンキングケア専用の薬”が次々と開発されてきた。
痛みを残して腫れだけ治す薬、痛みも腫れも一瞬で消す薬、飲み薬、塗り薬、貼り薬……需要は尽きない。
そして、そんな薬開発の第一人者と呼ばれる女性がいる。彼女は奇抜な発想と執念深い実験で、日夜新薬を作り続けている。
***
「よし!ついに試作ができたぞ!」
錠剤の小瓶を掲げ、博士は満足げに笑った。
「おーい、助手くん!早速私の尻を叩いてくれ!」
机の書類を片づけていた助手の女性が、呆れ顔で振り返る。
手にはいつの間にか実験用の革のパドル。
「……博士。毎回思いますけど、どうして自分で確かめるんですか……お尻まで叩かれて……」
「何を言う。薬の効果はまず自分で確かめないといけないだろう。研究者の義務だ!」
「でも……その義務に付き合うの、いつも私なんですよ!」
そう文句を言いながらも、助手は慣れた手つきで博士の背後へ回る。博士は当然のようにスカートを捲り、下着を下ろして机に手をついた。
「……準備万端だ。遠慮なく叩いてくれ!」
「……も~、知らないですからね!」
パシィン!
革のパドルが振り下ろされ、乾いた音が研究室に響く。
「くっ……効くな……!」
博士は眉を寄せ、ぐっと机の端を握る。助手は溜め息をつきながらも、次の一撃を放った。
パァン! パシィン!
赤く染まる肉感的なお尻に、規則的に打撃が重なる。博士は声を荒げることはなく、しかし苦悶のうめき声を漏らし続けた。
「うっ……ぐ……そこは……! いいぞ……続けろ!」
「博士、なんで叩かれながら嬉しそうなんですか……」
何故か嬉しそうな博士を見て助手は頬を赤らめつつ、手加減せずに叩き込む。
余談だがこの助手はそうではないが、お仕置き以外にラブスパンキングとして叩かれて喜ぶ女性は数多くいる、おそらく博士もそうなのだろう。
そんな事思いつつも助手のパドルによって博士のお尻全体が真っ赤に膨れ、じわじわと熱気を帯びていく。博士の呼吸も荒く、汗が首筋を伝って滴った。
数十発目、ついに博士が低く呻いて声を洩らした。
「……も、もういい。十分だ……」
助手は手を止め、赤々と腫れ上がった博士のお尻を見て思わず顔をしかめた。
「博士……叩いた私が言うのもなんですが……本当にやりすぎてないですか? こんなの腫れ上がっちゃって……」
「そんなことはない!よし、ここからが本番だ!」
博士は目の前においた小瓶の中の錠剤を掴み取り、水と一緒にゴクリと一気に飲み干した。
「……ふむ、味は少し苦いな。さて効果は――」
言い終える前に、博士の尻おの赤みがみるみる消えていく。腫れもすっと引き、数分前までの痛々しさが嘘のように消滅した。
「すごい……!博士、これは成功じゃないですか!」
助手が目を輝かせる。だが次の瞬間、博士の身体が震え始めた。
「うぅ……さ、寒い……寒いぞ……!」
博士は全身をぶるぶると震わせ、そのまま床に崩れ落ちた。
「は、博士ーーー!!」
***
結果は失敗だった。確かに腫れは即座に引いた。しかし、その代償に体温が急激に下がり、低体温症のような症状を引き起こしてしまったのだ。
毛布をかけて介抱しながら、助手は半泣きになって博士に訴える。
「だから言ったじゃないですか! なんでも自分で試すのやめてくださいって!」
しかし博士は青ざめた顔で、それでも口元に笑みを浮かべていた。
「ふふ……失敗は成功の母だ。なら次は……配合をこう変えて……うっ……ガクッ」
「博士ーー!!」
助手の悲鳴が研究室に響き渡る。
こうしてまた一つ、失敗作の記録が増えたのである。
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