キミに最高のおやすみを 〜伝説のベッドを作るために御歳90歳が(瀕死の妻も背負い)冒険へ!?〜
獅子十うさぎ
プロローグ
人間の三大欲求
『食欲』『性欲』
そして!
『睡眠欲』
俺の妻は特にそれがあるのか、眠るのが大好きな人だ。
そんな妻と連れ添って早70年―――
妻にも、死期が近づいていた。
「ばあさんや大丈夫か?何か欲しい物はないか?」
ベッドの上で咳き込み、辛そうな姿の妻の手を握りしめる。
弱々しくも笑顔を作る妻。
「やあねぇ大袈裟な…。でもそうね、1つ願いを言って良いなら」
俺の目を真っ直ぐに見て、滅多に口にしない願い事を告げた。
「人生の最後は、世界一のベッドで眠りたいわ」
俺はその妻の願いを叶える為、冒険へ出る事に決めた。
「おじいさん!その歳で無茶よ!もっと若い冒険者の人に依頼したら良いじゃない!」
「ばあさんの最後の願いなんじゃぞ!?ワシが叶えんでどうするんじゃ!!」
「で、でも瀕死のおばあさんも連れてくなんて流石に…」
「うるさい!ワシはばあさんと片時も離れたくないんじゃ!!」
「ぇえ…」
同居している娘とそんなやり取りをする俺の背に乗っているのはもちろん最愛の妻。
愛しの妻を残して冒険に出るなどとんでもない。
こうして俺(御年90歳)は最愛の妻(御年90歳【状態:瀕死】)を連れて冒険に出たのだった。
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