第2話 桃と蜜柑は誰のもの?
桃と蜜柑は誰のもの?
蜜柑はとっても明るくて元気で誰とでも仲良くなれるような、夏の太陽みたいな、(もしかしたら蜜柑なら世界中の人たちと友達になれるかもしれない)あるいは、とっても可憐な今朝、咲いたばかりの花みたいな女の子だった。(友達も学園の中にたくさんいたみたいだった)
小柄で猫っぽくて、つやつやの長くて美しい黒髪が綺麗で、まっすぐな心をしていて、強気で勇気があって、いつも前を向いて歩いているみたいな、ちょっと子供っぽい(男の子っぽい)とっても可愛いお姫様みたいな女の子だった。
桃と蜜柑は今日もとっても仲良しだった。
毎日、毎日、仲が良すぎるくらいにいつも一緒にいた。
まるで双子の妹の私のいるはずのところに蜜柑がいるみたいだった。
あるいは二人は恋人のようにも思えた。
蜜柑はまるで桃の彼氏(もちろん蜜柑は女の子だけど、どちらかと言うと桃が彼女で蜜柑が彼氏に見えた)みたいだった。
それは檸檬がそう思っているだけではなくて、みんなが同じように、そう思っているみたいだった。(噂で聞くだけだけど、そうみたいだった。みんな舞台の上で恋人の演技をしている二人の華やかな恋の舞台を見にきたお客さんのように二人のことを熱い目をして見ていた)
今も檸檬の見ている前で、いつものように桃は蜜柑のところにいて、とっても幸せそうな顔をしている。
手と手を触れ合って。
とっても近い距離で。
笑い合っている。
うーん。なんでだろう?
なんだかとっても気に食わないのだ。
そんな二人のお話をしている(檸檬にはいちゃいちゃしているように見える)風景を見て、檸檬はとっても不満そうな顔をしている。
「どうしたの檸檬。しわ寄せて。またなにか悪いことでも考えているの? 先生に怒られちゃうよ」
すると、後ろからそんなよく知っている声が聞こえてきた。
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