最終話 奇跡
(軽自動車の走行音)ブゥゥゥゥゥ
「大仏様を過ぎて、、、右側に、あった、警察署!」
(軽自動車のウィンカーの音)カッチ、カッチ、カッチ
(エンジンが止まる音)ブルン
(軽自動車のドアの作動音)バッ、バン
「入り口は?どっち、、、」
(少し遠くからの声)「おかあさん!!」
「
「あかあさん!!!!」
【飛びついたよ、おかあさんに。】
「もう、もう、びっくりさせないでね。」
「ごめんね、ごめんなさい、おかあさん!」
「もう、謝らなくていいの、よくやった。よくやったよ。」
「誇らしいよ。」
「でも、自分の命を一番に考えてね。
他は二番でいいからね。」
「、、、スマホ壊しちゃったの、ごめんね。」
「そんなことはいいの。あなたが元気でお家に帰れれば、それでいいの。」
「おばあさんも、元気で帰れたのかな?」
「うん、お家の人が迎えにきて、改めてお礼させてください、って。」
「そっか。」
「一緒に来たお友達は?」
「みんなお家の人が迎えにきて、先に帰ったけど、、、。」
【おかあさんに、
「
待っててくれたの。」
「こんにちは。学級委員さんよね。」
「ども、こんにちは、、、じゃあ、俺も帰るね。」
「あ、今日はどうもありがとう。うちの娘がお世話になりました。」
「お迎えは?」
「うちは、両親とも忙しいみたいで、自力で帰れ、って。」
「うちの車で送ろうか。、、でも自転車が2台は積めないか。」
「大丈夫です。いつもの練習コースで帰ります。
「それは、誰のことですかぁぁぁ!」
(
「
「ねぇ、あたしの分もみんなに伝えて。
迎えが来て無事に帰りました、って。」
「いいよ。」
「
「それがいいね。」
「じゃあ、また中学で。」
「うん、中学で。」
(自転車が走り去る音)カチッ、カン、シュ、シャ、シャ、シャ
ナレーション
「男の子を見送る女の子は、なんだか泣いているようです。」
「おかあさん、これおかあさんに。
おかあさんの好きな抹茶のういろうだよ。」
(軽自動車のエンジン始動音)キュルキュルキュ、ブゥン
「ねぇ、ねぇ、ねぇ、おかあさん、奇跡だったんだよ!」
「もう、絶対ダメかと思ったの。
下り電車は、止まれなくて踏み切りを通過しちゃったの。
これ、転生フラグ?とか思っちゃったよ。
でも、みんながいたのは上りの線路だったのよ!」
「それでね、それでね、大人が大勢集まってきて、
鉄道会社の人も大勢駆けつけて、
警察の人も来てネ、、、。」
「
ヒトにしかできない仕事があるじゃん、って言ったんだよ。」
「それでネ、それでネ、
みんなとお別れは嫌だ、って泣いちゃったの。」
「でもね、またいつでも遊ぼうよ、って、
「あたしも、マンガ描くよ。みんなが幸せになるお話を。」
ナレーション
「子供達に、大仏様のご加護がありますように。」
「人類に、未知なる力のご加護が有らんことを。」
完
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