時代によって意味の変わる言葉たち

「既読」。かつては、「既に読んだ」というだけの意味でした。でも、現在のネット社会では、特別な意味を持ちます。男女の麗しく微笑ましい心の交流、そこにもこの「既読」という単語が深く関わっています。考えてみれば、今まで、直接会って感じる表情や、電話の先に聞こえる声と息遣いから伝わっていたものが、横長の吹き出しに包まれた数十個の文字に乗り移ったのかもしれません。でも、そこには、文字と文字の間から零れ落ちてしまったものもたくさんありそうな・・・。その隙間が、まさに心の隙間と重なるような辛い時間も、長い間には温かみのある思い出に変わっていくように感じました。