太平洋戦記

あぶじる

マリアナ決戦

第1話プロローグ

1942年、破竹の勢いで進撃を続ける日本軍は同年6月に発生したミッドウェー海戦で主力空母の赤城、加賀、蒼龍を失い敗北、生き残った飛龍は護衛をつけられ日本本土へと帰還した。


以降、日本軍は圧倒的兵力差の連合軍相手にに守勢に回らざるを得なくなった。対抗するために日本軍は陸海の垣根を超え、それまで軽視されていた情報の共有や補給に関する取り決めなどが交わされるようになった。


日本軍が改革をしているときにも米軍の反攻作戦作戦は続けられ、42年の8月にはソロモン諸島ガダルカナル島にアメリカの第1海兵師団が上陸、建設中の飛行場が奪われてしまった。


幸いこれは三川軍一中将の第八艦隊の突入により、撤退に追い込むことに成功した。だが、以降も米軍によるガダルカナルをめぐる戦いは続き、消耗戦を強いられた日本軍は耐えられなくなり、43年2月にガダルカナルおよびソロモン諸島から完全に撤退した。


この時期、軍内部で議論の中心となったのは、どこで米軍と決戦を行うかについてであった。開戦当初に目論んでいた短期決戦論は既に破綻しており、次に提案されたのが米軍にじわじわと損害を与え、厭戦気分を国内に招く持久戦であった。


そしてそこにでかい損害を与え、一気にアメリカとの講和に持ち込もうとする案であった。そこで決戦の地として選ばれたのがマリアナ諸島であった。 


この方針に従い、陸海軍は不要な占領地からの撤退や艦艇の建造を行い、一年以上の時間をかけてマリアナ諸島を要塞化した。


そして、1944年6月15日サイパン島に米軍が上陸を開始、これを受け日本軍はいくつもの策を講じて戦う。決して負けられない戦いが始まった。

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