永遠におやすみ

 オレ…湯音に二回もヤバ…って言葉をくらった。

 

 大ダメージ‼︎

 

 ジャガイモじゃ回復できんって…

 

 

 …

 

 そういや、湯音も実はオレと同じバンドを好きなんだよね。

 

 寄せ寄せで、ガツンと歌ってやろうかな?

 

 でも、やっぱり…肺活量…敵わないよね。

 

 とりあえず腹筋したら、肺活量上がる?

 

 まぁ…やらんよりいいよね?

 

 てか、そもそもガツンと歌う前にオレって…フラれるよね?

 

 時間の問題よね?

 

 どうしよう…

 

 着拒しとく?

 とにかく別れ話をするチャンス拒否とか?

 

 オレにも拒否権あるよね?

 

 でもさ…手紙で来たら終わる。

 

 なんなら、玄関にさよならとかかかれてたら…

 

 …

 

 ヤダヤダ…

 こわいよぅ…

 

 ベッドで丸くなり怯えた。

 

 …

 

 いかん‼︎

 

 うっかり卵に戻るところでした。

 

 とりあえず、なるべく湯音に近寄らないようにいたしましょうか。

 

 しばらく旅に出ます。

 と、部屋にはりがみをしておいた。

 

 まぁ、湯音はオレを訪ねてきたりしないでしょう。

 

 背中にも、そっとしといてくださいってシールを貼った。

 

 一応、バッグにも危険‼︎っていうキーフォルダーも装備した。

 

 

 次の日の朝は、おでこに凶暴というお札をはった。

 

 

 そしたら、うっかり湯音と鉢合わせしても逃げていくでしょ?

 

 準備万端で家を出ると…

 

 ビューって風が吹いた。

 

「「あ」」

 

 湯音も登校するみたいだ。

 

 お互い玄関を同時にあけた。

 

 

 そしてオレをみるなり、また

「ヤバ」

 って言った。

 

「オレ、凶暴だし獰猛どうもうだから近寄らない方がいいぞ」

「そう…みたいね」

 

 湯音がなぜかオレの下の方をみてそう答えた。

 

 

 ⁉︎

 

 強風で、凶暴のお札がオレのヤバい部分にはりついていた。

 

 …

 

 終わった…

 

 完全に終わった…

 

 

 これから学校だけど…

 

 違う意味で終わった…

 

 

 もう、学校休もうかな?

 

 しれっと部屋に戻ろうとドアに手をかけると、母ちゃんが

「早く学校の旅に出なさい。遅刻するわよ」

 と、冷たく言ってきた。

 

「あの、レベルが…」

「レベル?そんなの勉強しないと、どんどん下がるに決まってるじゃない。早く行った行った」

 

 …

 

 追放されました。

 

 

 

 

 あの日から、一週間。

 

 湯音からは、まだ別れ話されておりません。

 

 毎日、ひっそり息を潜めて生活してございます。

 

 隠れみの術をつかいつつ、筋トレ。

 

 栄養管理

 

 美容に専念してございます。

 

 眉も整えたよ?

 

 妥当アキ‼︎

 

 すっかり黒歴史、汚名返上に力を入れておりましたが、最大のボス‼︎

 

 アキ‼︎に立ち向かう為には、美という波動が必要だ‼︎

 

 

 ちなみに、寝る子はクスクス育つので…

 

 いや、スクスク育つので、寝ます。

 

 自分の黒歴史に思わずクスクスしてしまいそうなくらい、気が狂いそうなので…

 

 

 十時就寝、目覚めたら起床‼︎

 ですっ‼︎

 

 

 朝は…あんまり…やっぱり…眠いッスよ。

 

 でもさ、起きなきゃじゃん?

 

 あぁ、起きますよ。

 

 今日もよろしくお願いします。

 と、ご挨拶。

 

 誰にだよ?って?

 

 ご自分にですよ。

 

 

 …

 

 自分を大切に。

 

 リサイクル品では、決してございません。

 

 消して‼︎

 

 やっぱり、オレを消して‼︎

 

 度々脳内にひょっこりと訪れるオレの数々の黒歴史…

 

 だれかオレを二度洗いしてください。

 

 心の洗濯…

 

 いや、一度新品にやりなおしてもらえないかい?

 

 …

 

 無理ッスよ…ね?

 

 ん?

 

 無理じゃない?

 

「でもでもぉ〜、無理はしないでくださぁい♡」

 

 気が狂い、鏡の前で変態ポーズ完璧♡

 

 こんな姿、誰かに見られたら終わるね。

 

 スッと、すにもどると…

 

「ヤバ…」

 と、声がした。

 

 ⁉︎

 

 湯音⁉︎

 

「えっ⁉︎湯音…」

「あ、あの…おかあさんが、波留夜起こしてきてって…でも、お、起きて…たっていうか、覚醒してるから大丈夫だねっ…。お、お大事に。安らかにおやすみっ‼︎じゃっ‼︎」

 

 …

 

 またやらかしたやんけ…⁉︎

 

 なんなん?

 

 なんかの呪いなん?

 

 黒歴史歴代一位で構わないから、もうこれ以上更新させないでください…。

 

 わなわな震えるオレのメンタルさん。

 

 

 てか、強制二度寝を湯音から要求されましたね…?

 

 永遠に寝とけ‼︎ボケカスってことかい?

 

 

 

 そんなキモい彼氏…いらないですね。

 

 不要なものでもなんでもお引き取りいたしますよぉ?って、言ってよ…

 

 湯音、オレ…

 

 オレ…がんばります‼︎

 

 だから、捨てないでください。

 

 お願いします。

 

 

 …

 

 心からのお詫び。

 

 湯音は、もう部屋にいないから謝っても無駄だよね?

 

 バカの無駄遣い。

 

 使いすぎたから、もうバカはないよ‼︎

 

 今月は、バカ欠です。

 

 そうであってほしい…

 

 これ以上バカの無駄遣いしたくない。

 

 オレには…あとどれくらいバカが残ってるの?

 

 バカメーターって、どこにある?

 

 バカだから、わかんねーや…

 

 

 …

 

 

 続く。

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