理系のあの子と文系男子

由南りさ

第1話 『理系女子』と『文系男子』

 理系女子……

理系の科目を専門に勉強したり、

研究をする女子の呼称。

 通称: 『リケジョ』    


 文系男子……

本を好み『覚えるのが得意』 

コミュニケーション能力が高く友達も多く、

人間関係が広いその呼称。


 通称:『ブンケイダンシ』。



 俺は、検索画面を見ながら「はぁ~」

と溜息をつく。



 僕は、進学校の文系クラスでも 

特に優秀な人が集うクラスの首席。

 『コテコテの文系男子』。


 検索結果の通り、『コミュカ能力』超高め、

他クラスのヤツらとも広く浅く付き合え、

友達も多い。そして何より、見た目も

『女子目線の男子の基準値』を

上回るため、そこそこモテる。


 まあ、それがこの『僕』、

その僕が深い溜息をつく理由。

 それは、『隣のクラスのあの子の存在』

僕の通う学校は、県内でも有数の進学校、

一学年6クラスで編成されている。


 文理選択は2年次から。


 理系クラスはA組、B組、C組、文系クラスはD組、E組、F組だ。


 理系と文系のクラスには見えない壁がある。


 それは、『先生方が作る分厚い壁』だ。


 僕が気になる『あの子』は理系クラスC組 僕はそのお隣のD組、

さっきも言ったが文系でも優秀な人が集う

クラス、僕はその『主席』。


 僕の得意分野は『勉強』であることには違いはないのであるが、

人並外れた『コミュカ力』の高さも得意とする一つだ。

 ほとんどの女子、特に文系女子からは

 「浜本君と話すと楽しいね~」とか、

 「ことばの表現力がエグイね~」とか

言われてます……はい。


 しかし、『リケジョ』の女子は違う。

 特に『あの子』は違った。


 僕が、あの子を最初に知ったのは、

『文理選択前』の高校1年生の春、

同じクラスになった頃。

 彼女は、黒髪を後ろで結び、クールな

感じ……がした。

 このご時世、マスクをつけたままの授業、

当然素顔は知らない。

 入学後すぐに分散登校、短縮授業、

行事の中止、行事の延期など

『楽しい高校生活』とは真逆の『高校生活』が始まった。


 あの子は、僕が知っている、いや、周りに

いる女子にはいないタイプ。


 お昼ごはんは一人で食べ、休み時間には

『アウトプット何とか』という本を読んで

いる。


 最初は、『大人しく無口』と思ったが、

クラスの女子の輪の中には入っていたり、

部活動も行っているなど『以外な子』だった。

 でも、一言で言うなら『一匹オオカミ』いや『一匹ナントカ』ちがう、

『我が道を信じて突き進む』のがあの子だ。


 あの子が気になって仕方がない僕は、

いつもやっているように彼女に話かけた。

 「ね~佐藤さん、連絡先交換しない?」

とニコニコ笑う僕。


 「え? 何で?」と短文で返す彼女。

 「色々、授業のことで連絡することも

あると思うんだ」

 と食い下がる僕。


 「何を?」とこれまた今度は『2文字』で

返す彼女。

 「どうしてもだめ? 連絡先交換」

 と哀れみの表情を浮かべる僕。

 「はぁ~。別にいいけど」 

 「おっ! これはいつものパターンじゃないか……僕の勝ち!」

 と心の中で勝利宣言だと思った次の瞬間、

彼女は言った。


 「でも、あなたと連絡先交換しても

あなたと話すことあるのかな~?

やっぱりないな。 

 ただ、アドレスが増えていくだけ…… 

使わないアドレスが」

 「え……そんなに言わなくても」

 二人の間に生まれる沈黙。

 流石!『リケジョ』 的確に分析し無駄の

ない言葉で僕を叩き斬る!


 恐るべし『リケジョ』、

恐るべし『あの子』。

 でも、僕はそんなあの子が気になって

仕方がない。

 こうして、僕の高校1年の学生生活は過ぎて行った。


                        

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