11話 学校七不思議 トイレの鎌男
ムッシーの願望で夜の学校に行くことになった雷魚、小魚、宝魚、晴魚、ノエルの五人。探索を続けていると突如として窓ガラスを割り、現れた全身真っ黒な男。その男は"鎌男"と名乗る。
「鎌…男?」
俺たちは戸惑う。いやだれ??と。
「ふははは!ふはははははは!!驚いているな。はーーはっはっはっはっはは!」
そう思っているのも知らずに笑い続ける鎌男。
「きさまら、カイを探しに来たんだろ?」
それにたいしてムッシーは威勢よくいった。
「そうむし!事件を解決しに来たむし!」
「そうはいかねぇぞ、俺がカイを連れ去ったからな!」
え!?おまえが? みんなもびっくりしている。
「さっさと帰んな。いま逃げたら見逃してやる。逃げなければ ころす 」
こわいってー。かえろう!
「みんな、帰るぞ!」
「「「「うん」」」」」
と言ってくれた。やつ以外は。
「は?冗談むしでしょ?こいつを捕まえて事件解決むし!」
こっちが は? といいたい!こっちが 冗談むしでしょ? といいたい!頭いかれてるわ!こいつ!
「殺されるぞ!」
宝魚はムッシーを脅すように言ったがムッシーには効果なし。
「僕がこいつを半死状態にしてやるむし」
むむむ、ずいぶんと余裕にあふれているじゃないかムッシー。そういえばムッシーまだ謎だらけだな、もしかしたらチート級に強かったりして?
「俺を半死状態か…おもしろい!やれるもんなら…………やってみろ!」
と鎌男はいって両手を前に掲げた。すると黒い光とともに鎌が出現。それを構えてムッシーにとびかかった。ムッシーはニヤリと笑って防御魔法で防いだ。
「うわ!?ムッシー魔法使えたの!?」
小魚が驚ていった。
「あたりまえむし。鎌男!反撃いくむしよ!『アンフェルフラム』!」
ムッシーの目の前にとがった巨大ワカメみたいな(?)炎が出現して鎌男の腹に直撃。
「うぐっ」
鎌男は腹を抑えて膝をついた。
「こんなのですむと思ったら大間違いむし。『アンフェルフラム スフェール』」
ムッシーの頭上に巨大な炎の球が出現してまたまた鎌男に直撃。
「ぐわぁぁ!」
鎌男は吹っ飛ばされた。
「まだまだ!アンフェルフラム!」
ごおおおぉ!!と、激しい炎が燃える音は…い・や・さ・れ・る☆
てか鎌男弱くね?いや、ムッシーが強いだけ?
「う、うう、ゆ、ゆるしてください!降参…………………………………するわけないだろ」
頭を下げていた鎌男をみて完全に油断していたムッシーに鎌男は渾身の一撃!
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「はぁ、はぁ」
のはずが小魚がムッシーをかばっていた。ポタッポタッと小魚の腹から血が垂れる。
「こ、小魚!」
ムッシーは自分が油断したことを深く後悔している。
「む、ムッシー。ぼくが…………こんなんで…………やられるわけないだろ…………晴魚の連続ベーゼトゥーテンのほうが……………………苦しいよ…」
「あっそう」
晴魚は以外にも冷静だ。いや、腹を立てているのだろうか?
「ぐはははははははは!!!油断しやがって!見事に俺の芝居に騙されたな!どうする?お前のせいでそいつが死ぬぞ!」
そういった鎌男に対しムッシーは低い声で言った。
「やることは一つ。おまえを…つぶす。アンフェルフラム ポーワン」
ムッシーの頭上に炎でできた巨大な拳が出現した。鎌男はそれをひらりとよけた。そしてムッシーの魔法は床にドオオオオオオオオン!!!!!!
うわぁ、威力ー半端ねー。ん?お?おおおお!なんと!床の大理石には傷一つついていない!すごい!
そんなのんきなことを考えている雷魚はハッっとして小魚に駆け寄った。急いで三人も続いた。
「小魚!」
小魚を揺さぶった。
「にいちゃん…………みんな…ムッシーの…………援護を…僕はどうでも…いいから……………………はやく!」
「……………」
まよった。確かにいま小魚の心配をしているとムッシーも死んでしまうかもしれない。あの爆炎を二回くらったのにピンピンしているからだ。だがムッシーの援護をするとはやくかたづいて小魚もムッシーも助かるかもしれない。きめた。
「みんな、いこう!ムッシーの援護に」
俺はみんなを見回していった。みんな迷った顔をしている。だがすぐに覚悟の顔で
「「「うん!」」」
といった。どうやらみんな同じ考えらしい。杖を構えた。
「ドゥフル!」
「エーデルシュタイン!」
「シュネーシュトルム!」
「シュヴァハ!」
一気に総攻撃。ムッシーの魔法をよけた直後なのですべて当たった。
「う、…………」
総攻撃+弱体化魔法。さすがの鎌男も膝をつく。そこをムッシーが狙った。
「『アンフェルフラム オブジェクト』」
鉄棒の棒よりちょっとふといくらいの炎が鎌男にあたって鎌男は吹っ飛ばされ、窓ガラスをバリン!とわって校庭に落ちた。だが鎌男はヒラリと空中で身をひねって着地。
「おー、百点!」
などとのんきなことを言っているノエル。
「まだいきてる。いくぞ!」
ム、ムッシー。語尾に「むし」つけなくなったな。一気に強者感ましたな。ってまてまて!ムッシー!なに窓から飛び降りて当たり前のように戦ってんだよ、最強か?三階だぜ?ここ。まぁ、それ言い出したら鎌男も化け物だけどな。
「いくよ!」
ノエルは窓から飛び降りた。あ、そうか空中浮遊魔法あるんだった。小魚以外の全員が飛び降りる。そして戦場は広い廊下からその何倍も何倍もひろい校庭に変更。
もう一度総攻撃でたたみかける!
「ドゥフル!」
「エーデルシュタイン!」
「シュネーシュトルム!」
「シュヴァハ!」
「アンフェルフラム!」
縦、横、斜め、上の全方向から仕掛ける。だが鎌男はニヤリと笑った。
「ゼーデルヒープ ゼンゼ!」
そして両手の鎌を舞いをまうように振り回した。鎌から斬撃が飛び出して攻撃は相殺された。晴魚の弱体化魔法を食らっていても。
「ゼーデルヒープ ゼンゼ!」
自分の腹の前から背中まで大きく鎌を降った。斬撃はバカみたいなスピードで四人に当たった。そう、四人あたったのだ。ムッシーはというと鎌男に急接近したようだがすぐに鎌男が迎え撃って再び激しい戦い。早い。早すぎる。あんなところにムッシーの援護として入っても足手まといになるだけだろう。全員がそれを察したのか誰も何も動かなかった。
くっ、はやいむし。鎌男のやつ…もうかなりぼろぼろのはずなのにはじめとほとんど変わらない速度で攻撃を連発。しかも一撃が重い。小魚がああなったんだ。いや、もし小魚の言っていることが本当だったら晴魚化け物じゃん。まぁ、そんなことは置いといて、こいつをどう処理するか考えなければ。奴の強さは速い、一撃が重い、それとあともう一つある。範囲が広い!一振りでかなりの広範囲。いも虫だからかめちゃくちゃ広く感じる。いや、ひろいのだ。何とかこっちも広範囲技で対応してるけどこのままじゃ魔力が切れる。……………………一気に畳みかけるしか勝ち目はないだろう。ズッ。とムッシーは動きを止め、大きく後ろに下がった。そして渾身の一撃。
「『アンフェルフラム エノルム』!」
巨大な広範囲攻撃。ゴオオオオオオオオ!!と鎌男は炎を食らった。
「ぐっ」
一瞬ひるんだ鎌男にもう一撃!
「アンフェルフラム ラージ!」
正面、後ろ、右、左、上、全方向から炎!ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!ものすごい熱風だ。ものすごい煙だ。
煙が晴れた。鎌男にもう意識はないらしい。ぐったりとしている。そこに俺たちが駆け付けた。俺は真剣な表情でみんなを見渡した。まずフードをとる。髪の毛はある。髪の毛がなかったら笑い転げていただろう。いや、そんなことはどうでもいい。マスクだ。とろう。
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