巨根ブラックオークは異世界でホワイトバニィーをファック
雪風
日本人。彼は異世界をファック
2025年8月31日。
東京拘置所。
本日9:51分。
ある受刑者に死刑が執行された。絶命:9:52分。確認。
受刑者の名:渡部誠。
性別:男。
年齢:当時41歳。
罪状:建造物侵入、放火、9名の殺害。
他に大学三年生のころ、当時女子高生だった2名の女性へ強姦をした容疑で逮捕されるも、証拠不十分で不起訴。
また放火殺人の二か月前には、被害現場で働いていた当時の上司Y氏の顔面を殴るなどの暴行容疑で現行犯逮捕される。
ただ上司Y氏とはのちに示談が成立したため、留置所から釈放されたが、暴行事件が原因で解雇される。
そして事件の三日前にガソリンとライター、鉈をホームセンターで購入。
2022年9月7日の午後2時に事件発生。
自身が勤めていた世田谷ビル6階の事務所にて、2か月前に揉めていた元上司のY氏を鉈で殺害したあと、部屋の角で怯える元同僚たちの周りにガソリンをまき、ライターで引火した後に逃亡。
結果として上司Y氏を含む9名の元同僚が死亡。
事件後、すぐに緊急大規模捜査が開始され事件から四日後に緊急逮捕。
半年後の2023年3月4日に初公判が開かれ、本人と弁護士側は心神喪失として無罪を主張。検察と遺族は極刑を主張。最終的に2023年の10月9日。弁護側の心神喪失の訴えは退けられ、検察側の極刑が認められ、死刑判決。
「…そして今に至ると」
パイプ椅子に座る黒髪と黒色の羽を生やしたボインな姉ちゃんは、手にした資料と思われる紙を何枚かめくりながら、俺の経歴を淡々と説明していた。
「いやぁ見事なまでのクズっぷりっすねー」
「おっ?え?もしかしてお姉さんそっち系?」
「そっち系ってのがなにかは知らないですけど、クズ過ぎてびっくりしただけです。でもこれなら主も喜ばれるかと思います」
さっきまでの無機質なしゃべり方から一転して、急に陽気な態度へ変わった彼女。俺は話が弾むかと期待して聞いてみたが、どうやら違ったようだ。
「よく分かんねぇけど主ってなに?なんか神様みたいな系のやつ?あ、でも俺見て喜ぶってコトは邪神系とかw?」
「まあそうっすねーそんな感じっす」
「あ、そうなんだ。じゃあさこれさあれでしょ、異世界転生。とかみたいなやつっしょ?知ってるよ、俺。数年前から結構ハマってんだよね。ほら、転生したらスライムだったーとか、無職のニートが転生して異世界無双したりとかさ。最初はこんなんエヴァとかガンダムと比べたら見る価値もないって思ってたんけど、気づいたら以外とはまっちゃってさ、爽快感、ってやつ?カナ?スッカっとすんだよねw」
「あぁそうなんすねー。ま、とりま異世界転生なんですけどー」
「お、あ、え?あえ?マジなん?適当にあてずっぽで言っただけなんだけどwちょっwマジ?えホントに?」
「ええ本当ですよ」
「っしゃあああああああ‼やったぜえええ‼最高‼神様最高‼邪神最高‼」
「はは、なんか”調子”いいっすね」
「いやそりゃあさ!だってさ、俺マジで死んだんだぜ⁉もう人生終わったと思ったもん。すんげぇ首痛かったし、首の骨折れた時の痛み想像できる?できないっしょ?あれはマジでやばいわ。俺本当に神様に祈ったもん。ああ、首吊られる前ね、来世はイケメン高身長高校生に生まれ変わらせてくださいってさ」
「イケメン高身長高校生…ですか」
「そうよ!だってさ俺はずっと虐げられてきたんだっ‼こんなブサイクな顔だから…幼稚園の時から小中高も大学もずっとずっとずっと‼男からはイジメられて、殴られて、笑われて、女は俺の存在そのものをフル無視‼目も合わせない!隣の席になれば毎回泣かれ、教室の一番前の端になる。就活もそうさ!俺以外の奴らみんな俺より学歴が低いのに、俺ばっかり面接で落とされる。それで高卒みたいな低学歴しか働けない糞みたいな派遣の営業職になるしかなくてさあ!でもそこでも俺より学歴が低い無能共が俺に偉そうにしてくるんだ!あの顔…今でも忘れねぇ…人の顔を見た途端に豹変しやがった、人を蔑む目…だから鉈で殺した時、目をくりぬいてやったよ。それを俺のことをヤタラ毛嫌いしてた新人の糞女の顔面にぶんなげてやってなあ、そしたらあいつ「わっ私だけは助けてくださいぃ~」って命乞いしてきたからガソリンぶちまけて真っ先に殺してやったわ‼へっ!あの時のあの糞女の絶望した顔‼まじで忘れられねぇよw超ド糞スッキリしたわwww」
「うおwなんかめっちゃ早口で言ってるじゃないっすかw」
「あ?なんだてめぇ…まぁ…いいや、とりあえずいいから転生させてくれよ。イケメン高身長実家金持ちでさ、もういちど青春からやりなおさせてくれ。あーでも最強チートスキルで無双もいいな、いや…どうしよう…迷うなこれ」
「あの、どっちも無理ですよ」
俺をあざ笑うかのように黒女は不気味な笑みを浮かべた。俺は席を立ちあがり、女の前に立つ。
「お前、なめてんの?なあ、舐めてんだろ⁉さっきからちょくちょくうぜえけどぉ…あんま調子乗ってと、あん時のJKみたいにぶち犯すぞ?」
俺がちょっと脅したら、女は資料に目線をとした。なにも言えずにただ文字を読んでるふりをし続ける。
「ああ、それね。いるんだよなーw私は別に気にしてませんけど。って弱くてなにも言い返せないくせに、効いてないアピを必死にする女」
「ブラックオークっす」
「は?…なんて?」
「ブラックオークっていうオークの変死種に転生してもらいます。主特製なんでめっちゃ強いっすよ」
「オーク?…」
「まあ豚人間ってことです」
俺は咄嗟に女の胸ぐらを掴んだ。
「おいてめえ、なめんな、お?俺がブスでハゲ頭のデブだからってなめんだろ?こんな細え首なんて簡単にへし折れんだぞ?考えて発言しろよ糞アマ?」
すると女は黙って俺の後ろを指さした。
俺は後ろを見る。
なにもない白い空間が広がっているだけ。
「てめえ、びびっ…ふざけてんじゃねえ‼」
俺が女の顔を殴ろうとした時、女の指から光り輝く光線が飛び出した。
「ぬわっぷ⁉」
そして俺の横をかすめると、そのまま数百メートル後方まで飛んでいき大爆発した。
「……ひょっひょぇ…す、すいません」
(強えんだったら先に言えよクソがっ‼)
俺が大人しく席に戻ると、女は話を続ける。
「これがあなたが転生するブラックオークのイメージ図です」
女がそういうと、俺の手前に突如ホログラムが現れた。
「こちら等身大になっております。身長は2m。体重は200㎏です」
椅子に座りながら見上げたオークの姿はまるで全米ストロングマンコンテストに出てくる怪力自慢の大男のようであった。唯一違う点はその顔と――。
「でっか」
黒光りした巨大な陰茎と睾丸。
陰茎は俺の二の腕サイズはあるか…金玉も小さなスイカほどの大きさがある。
こんな男らしい男性器を間近で見せつけられたら、男の俺でもケツ穴がキュンキュンしちまう。新しい扉が開かれちまう。
「でもブタかよ…」
確かに、こんな強そうな体なら異世界で無双できるかもしれない。立派な男性器があれば男として自信をもって通りを肩で切りながら歩けるかもな。
しっかし肝心の顔が豚だ。
しかも肌は真っ黒クロンボときた。
アジア人である日本人として暮らしてきた俺からしたら、やっぱり顔や肌の色の違和感はすぐに飲み込めない。
「ですがブラックオークには発情フェロモンを持ってますので、人間の女を簡単に手籠めにできますよ」
「ありゃした‼ブラックオークで転生します!」
女の一言で俺はブラックオークに転生することを決意した。
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