第6話 パーティ結成
「パーティの名前どうする?」
その後、ダンジョンからギルドまでを全速力で駆けていた三人だったが、ふとリオが我に返り、後ろにいた二人にそう声を掛ける。
「あ、そっか。パーティ登録するなら、パーティ名を決める必要があんのか」
「確かに」
しかし、急に自分たちが所属するパーティの名前を決めろと言われたって、そう簡単に良い名前が出てくるわけではない。
しばらく三人で頭をひねっていたが、一向にいい名前は出てこなかった。
「もう、リオパーティでいいか?」
諦めたようにリオはそう言うが、二人はほとんど反射的に口を開く。
「「良くない」」
「そんな声そろえて否定しなくても……」
リオの提案をバッサリと切り捨てる二人に、リオはがっくりと肩を下ろす。
「人の提案を否定するぐらいなら、二人もなんか案出せよ」
そのリオの発言を皮切りに、みんなで適当に思いついた名前を言い出すが、なかなか良い名前は出てこない。諦めかけていたその時、レイナが自信なさげにぽつりと、小さな声で一つの案を出す。
「……アイオライト」
これまで出てきた案の中でも、幾分かマシなその名前に、シオンとリオは「それだ!」と声をそろえてそう言う。
「え、えぇ!? でもでも、アイオライトパーティって、なんかおかしくないですか!?」
「別に、これまで出てきた案なんかよりはずっとマシだし……」
「俺もいいと思うぞ。アイオライトが何由来かは知らないけど」
口々にそういうシオンとリオに、「え、えぇ……」と声を漏らすレイナだったが、「お、お二人がそう言うなら……」と、ついに折れる。
「そ、それじゃあ……アイオライトパーティ、結成ですね!!」
「おう!!」
「あぁ、そうだな」
三者三様の反応を示しながら、三人は全員、互いを見て笑いあっていた。
「……ようやく、見つけた」
そんな三人から少し離れた場所で、白銀の長い髪を高い位置で一つにまとめた少女がそうぽつりとつぶやく。
「私は絶対に、貴様を許さない……!!」
声を荒げながらそう言う少女は、殺気だった瞳で、ただ一点だけを見つめていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます