トランプとサイコロで遊ぼう! 【ハンター】ver. 1.0.2

博雅(ひろまさ)

そして冒険は始まる

私がカルテンヒンメル王国国軍の剣士になってから13年が経った。

思えば長く短かった――訓練用のスライム狩りから、実戦形式でのドラゴン討伐まで、ありとあらゆる任務をこなし、時として大怪我を負うこともあった。恥ずかしながら、とあるドラゴンの眷属から這う這うの体で逃げる際、背中に残った三つの爪痕の筋がそれを物語っている。


1年前ほどから騎士団長の役目を仰せつかったのだが、先日、ついに『奴等ボス』と呼ばれる魔族の殲滅命令が出た。このクリーチャーたちは、人間とほぼ見た目は同じながら、ヒトの肉を好んで捕食する危険な存在である。知能もまた備えているらしく、その活動は昼夜を問わず、人混みに紛れている場合もあるのだが、ついに砦とよぶべき拠点を見つけることが出来た。そこには12人の『殲滅すべき敵たち』が居るとのことだ。これらを撃破すれば、王国に平和が約束されるであろうと、王国の預言者は教えてくれた。


さて、ここからは少々私の日記に付き合っていただきたい。

TRPGというものを聴いたことはあるだろうか。または、RPG。あるいは、ボードゲーム・通称ボドゲ。今から記す掌編は、私のとった行動を克明に記したものとなる。また、読者諸君が実際にあそべるゲームの『リプレイログ』(プレイした様子をそのまま記録したもの)となっている。若干、というかかなり脚色は付いているが、それはフレーバーテキスト(ゲームの世界観を補強する文章)の所為だと思ってほしい。

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