裏切りで生まれた子供
@bc2jha
いつも通り
人は誰しも生まれながらにして罪人である──
この言葉は旧約聖書『創世記』にあるアダムとイブの物語で禁断の木の実を食べてしまったことに由来している。
実際は生まれながら罪人な人はいない。どんなに親や先祖が罪を犯していようが。しかし、僕、いや、俺は生まれながら罪人であり、人殺しである。
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憂鬱な朝が来た、時間は午前6時、急ぐ必要も二度寝する時間も無い微妙な時間だ。朝ごはんを作るために、自分の部屋を出る。いつも通り、冷蔵庫から朝ごはんの材料を取り出し、台所に向かう。
「お兄ちゃん、おはよぅ」
寝ぼけながら、綾が部屋から出てきた。妹は俺の3個下の妹で母親に似て綺麗なショートヘアーに、真っ白な肌、十人見れば、十人が見惚れる美少女だ。家族目線でもそう思うほどだ。
「おう、おはよう。今朝ごはん作ってるから、母さん起こしに行ってくれないか?」
「りょうか〜い!その前に今日の朝ご飯はなに?」
「いつも通りのパンに目玉焼き」
「えぇ〜別の朝ごはんが良い」
「作ってやってやるだから、文句言うな」
「は〜い」
少し抗議があるかの様な口振りで言って、母さんの部屋に向かって行った。料理が出来てテーブルに朝ごはんを置いていると。
「お母さん、早くご飯食べるよ」
「分かったから、そんなに急がせないで...」
母さんの手を引きながら、妹が母さんをダイニングに連れてきた。いつも通り俺を見た瞬間、目を輝せながら、抱きついて、頭を撫でてくる。
「優一〜〜〜!」
「あっ!お母さん、お兄ちゃん困ってるじゃん!」
「母さん、やめてよ...」
顔を赤くしながら、言う。そう言えば、母さんが満足して離れてくれる。
「優一!いつも、朝ごはん作ってくれてありがとうね!」
母さんが笑顔でそう言ってくる。
いつも通りの朝が始まる。ご飯を食べながら、俺と妹が話し、ときどき、母さんに話を振る、そんなことをして、時間を潰す。そして母さんは仕事、妹は中学校、俺は高校へと向かっている。
とても仲のいい理想的な家族の形だ。これで良い、美人な母さん、妹に囲まれて、理想の家族だ、自分は幸せだ...そう、自分に言い聞かせる。
高校に、登校途中で会った友達と馬鹿な話をしながら登校、いつも通り、2年生の階に行き、通りすがりの友達に挨拶をする。
「優一、おはよう」
「おっす、優一」
「おはようございます、優一くん」
挨拶してきた友人に「おはよう」と挨拶をする。そして、自分のクラスに入っていく。教室のドアを開けた瞬間クラスメイトがこちらに視線を向け、笑顔で話しかけてくる。
「優一、今日の宿題見せてくれ!一生のお願いだ!」
「お前、いつも一生のお願い使ってるじゃん、お前命何個あるの?」
「そうは言わずに見せてくれ!」
「しょうがねぇな、ほれ、早く写せよ」
「サンキュー!やっぱ優一はちょろいわ」
「おい!お前はさぁ...もう自分の席に戻ってる...」
友達に呆れながら、自分の席へと向かう。すると、別の友達をやってくる。
「優一、今日放課後遊ばない?他のやつも来るけんさ...」
「すまん、今日も無理だわ。家事手伝わないけん」
「まじか...まぁ、しょうがないか...お前、美人の姉妹待っているもんな!」
「だから、母さんだって言ってんだろ!」
そう言うと、クラス全体に笑いが溢れる。いつものノリ、いつもの笑い、とても充実した時間だ。でも、胸が痛む。頭の中で誰かが泣いている。
朝の時間が終わり、先生が教室へ入って来た。HRの時間だ。
「HRを始める前に転校生がいます」
その言葉を聞いて、教室がザワつく、「男なのか?女か?」「美人か?イケメンか?」そんな言葉がクラス全体を覆い尽くす。
「ざわつくのは分かるが一回静かにしろ。転校生が入って来にくいだろ...」
先生が言い、みんなを静かにさせる。
「よし、入ってきて良いぞ」
教室のドアが開き、誰かが入ってきた。その人を見た瞬間、誰もが目を開き驚いていた。白髪にロングヘアー、くびれのあるウエスト、大きめの腰とヒップ、まさに男の理想を体現した姿。一度見たら、忘れない、ファンタジーの中飛び出してきたような美人。
なっ...何で...お前が居るんだよ...
「よろしくお願いします。親の都合でこちらに引っ越してきました。私の名前は白石凛、凛って読んでくださいね。」
明るく、誰もが魅了されるような声でそう言う
「後、そこに優一くんと幼馴染です!」
そう、笑顔でこちらを指をさし、言ってくる。
「「「え〜〜〜〜!?」」」
まさにラブコメ、兄と尊敬してくれる可愛い妹、自分のことが大好きな美人の母親、綺麗で美人な幼馴染との感動の再会。自分じゃなければ、そう思うかもしれない。しかし、彼女は、俺の幼馴染で、中学時代元カノで、僕のトラウマの一つである。
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初めての投稿で、右も左も分からないです。ただ、自分の見たいものを書いていくので、更新スピードは期待しないでください。
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