第20話 信じる世界
【冷たい!!もう暴れすぎ!!!】
愛夏は、麦茶を大量に俺の顔に。
【愛夏!!何してくれて…愛夏!!!】
目の前の愛夏を抱きしめて、強く強く抱きしめて、
【もう離さないからな!!】
愛夏は、
【ちょっと、ちょっと…人がたくさん居るのに…健太?行動イミフ…】
離すもんか!!誰が居ようと関係ない。
俺は、
【愛夏、この手が離れないんだ】
愛夏は暫く大人しくしていると、
【ふーん、そう言うつまらない冗談は…通じるわけで無いでしょ!!】
腰、脇を!!流石に笑ってしまう。
が、離さないからな!!
くすぐりなんて耐えてみせる!!
【健太!!もうどうしちゃったのよ。もう】
愛夏はくすぐりを続けるが、
俺は離さない。この暑さとくすぐりに耐えている俺は汗だくに。
愛夏は、
【あのね、もう解ったから。離してよ…疲れた…】
愛夏の弱った声に、俺は思わず、
【あっ!!ごめん。愛夏、離したくなくて】
冷静になり、愛夏を見ると、
愛夏は舌を出している。そして、
【健太の汗、塩っぱい!!】
俺の首元の汗が愛夏の唇に。
【ごめん、何か…タオルとか?】
愛夏は笑って、
【いいよ、健太の汗ならさ。はい、水分補給。まだ麦茶あるからね】
俺は麦茶を飲み、落ち着くと、
【愛夏、夢とは関係ない。愛夏といたい】
愛夏は頬を挟むようにして、
【健太、ありがとう。もちろん私もずっと健太と。何があったの?】
俺は、
【夢でいろいろと。つぐみさんや穂乃果さんと変わった先生…痛っ!!】
愛夏は、強烈なデコピンを。
それもデコでなく鼻に!!
【なんで、女の人ばかりなのよ!!】
咄嗟に俺は、
【違うって!!聞け!先生はダイブの】
愛夏は笑って、
【そう言えば私もさっき、急に眠ってしまい、不思議なんだよね、奇麗な女性からね、貴方は夢の中の人って言われて。失礼よね!!こうしているのにさ。その人も確かつぐみ…】
愛夏の言葉を遮って俺は、
【愛夏!!それって…】
言いかけて俺は考えた。もしそのようなことをつぐみさんが言っていたのなら、愛夏とは夢でしか会えないってことかも。
俺は愛夏の頭に撫でて、
【つぐみさんが俺達二人を引き合わせてくれたんだ。つぐみさんの言っていたこと、痛っ!!何すんだよ…また鼻を狙うなんて】
愛夏の強烈のデコピンでなく、デコハナを。
愛夏は、
【だから、そのつぐみって人が健太を自由にしてあげてって!!私の話を遮らないでよ。続きがあるのに、もう!!!なんで、名前知ってるの?…それはいいや、それでね…】
愛夏も夢を見てるのか?愛夏は、
【…私はどうすればいいんだろう?って本気で悩んじゃって、それでね…】
俺は再び話を遮り、
【愛夏、何て答えたの?】
愛夏は、
【慌てないでよ!!夢の中の話ね。それで、健太を自由にって願ったら、突然居なくなったの。健太が。必死に探していたら…】
再び俺は、
【愛夏!!こうして俺と居るじゃん!!!これこそが現実だよ】
愛夏は、
【どうしたの?おかしくない?つぐみって誰?なんで夢の中の話なのに健太も知ってるの?】
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