第3話 ホテル

とりあえず小康状態になったが、


川は氾濫寸前で、俺達は何とかホテルに。


 穂乃果さんがここまで送ってくれて、助かったけど、穂乃果さんの帰りが心配だな。お店に戻るとか言っていたけど。


※【ご予約のお客様でしょうか?】※


【はい、先ほど空きが出て…】


 俺達の予約は穂乃果さんが間違いなく、スムーズに。このスコールで帰れない人達がロビーに押し寄せてる。


※【シングル二部屋ですね】※


【あれ?同じ部屋って?違うの?】


※【シングルでご予約されていますけど…お二人様まで宿泊出来る部屋ですが…】※


愛夏は、


【健太、こんなに泊まれない人達がいるんだからさ、同じで良いじゃん!!人助けにもなるし、ねっ】


俺は躊躇したが、確かに困ってる人達が。


【じゃ、同じ部屋で】


※【お客様かしこまりました。こちらにお名前だけでいいのでお願いいたします】※


多少は人助けになったかな?



部屋はなかなか広い。ところで、お金は?


【愛夏、穂乃果さんに出して貰って良いのかな?悪くない?】


愛夏はベッドで寝転んで、


【良いんじゃないの?お願いしてきたのあっちだしさ】


確かにそうではあるが…


 愛夏はベッドで寝転んで、俺はソファーでくつろいでいると、眠くなってきて💤


ニ時間くらいだろうか?すると、



※プルルルルルー※



部屋の電話だ。俺は寝ぼけて出ると、



【…もしもし?】



※【お客様、夕食のご準備が出来ましたので1階のメインダイニングまでお越し下さい】


 夕食まで良いのかな?穂乃果さんの好意とは言えこれではあんまりにも。


愛夏はベッドで熟睡。寝顔が何とも可愛い。


起こすの可哀想だけど、


【愛夏…夕食…行ける?…】


※ゴチン!!※ 🌠😖痛っ!!!


愛夏のおでこと俺のおでこが激突。俺は、


【何で急に跳ね起きるんだよ!!】


愛夏はダメージ大きいらしく、


【くっーーーーー!!】


おでこを押さえて、


【馬鹿!!痛いなー!!!何で目の前に?】


これ絶対にタンコブ出来るな。


【夕飯出来てる…って言おうとしただけで】


愛夏は、


【えっ!?ここのメインダイニングの!?マジ!?行こう、早く行こう】


なんだこいつ…!?痛みはどうした?


あっ、俺はヤバい…これは例のパターンだ。



--------------------



…あーあ、やっぱりか。



こっちを現実と思っていたが、夢なんだよ。


そう、気にするなっことだ。


【大丈夫?】


愛夏?そうか、ここでは姉だったな。


【姉ちゃん…運転は?】


愛夏は、笑って、


【それ憧れてるの?食べに行くよ。それとも少し休んだ方がいい?】


戻ってない?ここが現実で。


今の感覚で夢に行かなかったのは初めてだ。


俺は愛夏を抱きしめて、


【大丈夫だけど、暫く、こうさせて】


【うん…ねぇ、姉で無くてがっかりした?】


【何言ってるんだよ、姉だったら困るよ】


【今の状況理解してる?誰でもいいってこと無いよね?】


【愛夏だけしか見えない…】


【私も…】


※グーーーーー……………※


俺達は、お互い見つめ合って、大笑い!!


【食欲に勝るもの無し!!】


【い、今の私じゃ無いからね!!】


 俺のお腹が鳴った音では無いけど、そうしておこう。愛夏のために。














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