高嶺の花のお嬢様の本心を俺だけが知っている
向井数人
第1章 高嶺の花のお嬢様と平凡な俺
第1話 白星麗奈の本心
高校1年生の
白星麗奈は金髪のストレートロングヘアに宝石の様に綺麗な碧眼を持った日本人離れした容姿の美少女で外ではいつも多くの男性の視線を集めていて。
学校ではイケメンと言われているタイプの男子達から白星麗奈は何度も告白を受けているのだが、どういう訳か彼女はそれらの告白を全て断っていた。
そんな白星麗奈は学業の成績は学年でいつも10位以内に入る秀才で、部活動に入っていないモノのどんなスポーツも人並み以上にこなす事の出来る文武両道の優等生で。
性格は明るくて誰とでも直ぐに仲良くなれる位にコミュニケーション能力が高い上、彼女の家は大のお金持ちという、高嶺の花という言葉がぴったりの容姿端麗、文武両道の完璧な美少女のお嬢様なのだが。
そんな白星麗奈の本心を彼女と長年一緒に過ごしている橘海翔は誰よりもよく知っているのだった……
「……すうすう」
5月中頃の日曜日の朝、高校が休みという事もあり窓から差し込む朝日に照らされながら、橘海翔が気持ちよく寝息をたてていると。
「……と、海翔!!」
(……何だ?)
気持ちのいい睡眠を邪魔する様に耳元で誰かが自分の名前を呼んでいるので、少し煩わしく思って橘海翔が寝返りを打つと。
「ふーん、海翔、私の事を無視するつもりなのね、良いわ、それならこっちにも考えがあるから」
声の主はそう言うと、それから数秒時が経って。
「ふうーー」
「うわっつ!?」
突然、寝ている橘海翔の耳元に誰かが息を吹きかけたので、橘海翔は驚いてベッドから飛び起きると。
「あっ、やっと起きた、おはよう、海翔!!」
ベッドの横には朝日に照らされて輝く金髪のストレートロングヘアに宝石の様に綺麗な碧眼を持った、橘海翔の初恋の相手である白星麗奈が立って居て。
ベッドから飛び起きた橘海翔の様子を面白がる様な表情を浮かべながら見下ろしていたので。
「……ああ、おはよう、麗奈」
ぶっきら棒な口調で橘海翔はそう挨拶を返して、それから数秒経ってから。
「それで麗奈、お前は何で朝から俺の部屋に居るんだ?」
橘海翔がそう聞くと、白星麗奈は満面の笑みを浮かべて。
「何でって、今日は一日中暇だから海翔に私の暇つぶし相手になってもらおうと思ったの、だから海翔、いつまでも寝てないで早く起きて私の暇つぶし相手になりなさい!!」
彼女はそんな事を言ったので、その言葉を聞いた橘海翔はベッドの上で小さくため息を付いて。
「分かったよ、それじゃあ俺は今から着替えるから下に降りて待っていてくれ」
呆れた口調でそう答えると。
「はーい」
白星麗奈はそう言うと橘海翔に背を向けて、そのまま素直に彼の部屋から出て行った。
これが白星麗奈という女性の本来の姿、彼女は学校では真面目で優等生な皮を被っていて、多くの男子から憧れる高嶺の花といった存在であるが。
本来の白星麗奈はかなりのわがままで自分勝手な性格のお転婆お嬢様で、いつも彼女のわがままに付き合わされている橘海翔からすれば、白星麗奈という女性は貴重な休日を何度も滅茶苦茶にぶっ壊してくれる、かなり困った存在ではあるのだが。
「面倒くさいと思っていても何時も付き合ってしまうのは、惚れた弱みってやつなんだろうな……」
嬉しさと悲しさが混ざった様な何とも言えない笑みを浮かべながら、誰も居ない部屋でポツリと橘海翔はそう呟いた。
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