第2話

しかし

僕の怒りなど

その女の子は全く

意に介していないようだ。


あなたって

藤沢健夫君でしょう?

女の子は笑いを

堪えたような表情で

僕に聞いてきたんだ。


えっ!?


なぜ

その子は

僕の名前を

知っているんだ?

僕は不思議であった。


この女の子は

見た限りでは

僕の中学の生徒ではない。


僕は人の顔を

覚えることは得意で

在校生の顔ならば

ほぼ記憶している。


その記憶の中に

この子は顔はない。


とりあえず


そうだよ!

僕は正直に

藤沢健夫だと

認めることにした。


すると


あっはっは!


マジに笑えるよ!


ママって昔

こんな感じだったんだ!

女の子は失礼にも

僕を指さしながら

大笑いしているんだ。


それも

可笑しくて

可笑しくて

仕方ない感じである。


ママって昔?


いったい

何のことだよ!

僕は全く

訳が分からなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る