第35話 匂い魔法
魔法解除、魔法無効化、魔法吸収、思いつくのはこんな感じ。
このどれだろうが、仕組みが解らなければ対処は無理。
おっと、ナイフが飛んで来た。
スローモーションなので、余裕で叩き落とす。
ただ、この思考加速魔法は時間制限がある。
無理すると脳にダメージが来る。
何かヒントはないか。
魔法を見て、呪文を推測する魔法を使おう。
「【文字置換】」
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文字置換スキル
┌────────────────────┐
│侍魔法言語変換 ▼│
└────────────────────┘
【See the magic and guess the spell】
📕
【掛かれ!! 一番槍は誰ぞ!! 矢!(驚) 一斉に放て、外すでないぞ!(驚) あ!! そんなに驚くことか!! [幕]むっ…… これは敵わぬ…… やるのう。ここからじゃ。く…… 誰ぞ呼べ…… [幕]本陣。そろそろ攻めるか。そりゃ!! よし、戦で解決じゃ!! 甲冑!(驚) 戦装束させよ!(驚)
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無詠唱で実行。
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推測される呪文。
【ちおあはもえべいあねとはもえをひりょえ】
――――――――――――――――――――――――
くそっ、解るかこんなの。
解析には月単位の時間が掛かる。
とても間に合わない。
血に魔法を付与した感じだが、血を使った理由でもあるのか。
血に付与した魔法は毒ではなさそう。
舐めてみよう。
血の霧に手を入れて、舐めてみる。
血の味と薬品の味、そして鼻につんと来る強烈な匂い。
血を使ったのはこの匂いを誤魔化すだめか。
なるほど匂い魔法か。
これなら付与魔法は要らない。
匂いは自然と付くものだからな。
魔法を消す機能と併用してたわけじゃない。
ならば消臭だな。
消臭の原理なら解る。
CMとかで見たからな。
思考加速魔法を解除。
「【翻訳】」
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翻訳スキル
┌──────────┐ ┌──────────┐
│日本語 ▼│→│英語 ▼│
└──────────┘ └──────────┘
消臭。
🎤
deodorant
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「【文字置換】」
文字置換での呪文はこんな感じ。
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文字置換スキル
┌────────────────────┐
│侍魔法言語変換 ▼│
└────────────────────┘
【deodorant】
📕
【茶の湯。(笑) 茶会じゃ仕度せい。(笑) 矢!(驚) ほう、飛んでいる鳥を落とすとは見事な腕じゃ!(驚) キンカンかっ? 不満か? 茶の湯。(笑) そちも列席してみるか。(笑) 天守じゃ。そうじゃ、ここは天守ぞ、どこにおるのか分からんほど酔ったのか。苦境…… 大したことなぞない、斬れば済むことよ…… 飢饉…… 天運に見放された…… 乱世。影武者は必要じゃ。むっ…… ここはじっくり行かねばな…… 】
――――――――――――――――――――――――
無詠唱。
「【翻訳】」
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翻訳スキル
┌──────────┐ ┌──────────┐
│日本語 ▼│→│英語 ▼│
└──────────┘ └──────────┘
送風。
🎤
Air blower
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「【文字置換】」
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文字置換スキル
┌────────────────────┐
│侍魔法言語変換 ▼│
└────────────────────┘
【Air blower】
📕
【飢饉…… 買うしかなかろうな、商人を呼べ…… 斬れ! そこにおる者を斬れ! 苦境…… 七難八苦じゃな…… [幕]おっ、おのれ!! 伏兵か!! 武者ぶり! 存分に手柄を立てるがよい! キンカンかっ? 正直に言えば一度は許す、どちらが裏切り者じゃ? 不満じゃ。もっと良き話を持ってこぬか。死。死を覚悟してことに当たらねばなるまい。
――――――――――――――――――――――――
無詠唱。
風が起こり、血の霧は散らされた。
やはり匂いの魔法だったらしい。
「遅いわ。もう別の香りをあなたは吸い込んでるのよ。弱い香りだったから、時間が掛かるのが難点。チェックメイトよ」
「ぐはっ!」
盛大に血を吐いた。
「【翻訳】」
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翻訳スキル
┌──────────┐ ┌──────────┐
│日本語 ▼│→│英語 ▼│
└──────────┘ └──────────┘
毒を消す。
🎤
remove poison
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「【文字置換】」
文字置換での呪文はこんな感じ。
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文字置換スキル
┌────────────────────┐
│侍魔法言語変換 ▼│
└────────────────────┘
【remove poison】
📕
【苦境…… 嘆くなら、殺してしまえ、苦境かな…… 死。天運じゃな。温泉。(笑) 余興も終わりか?(笑) さっ、一献。(笑) さあ、楽しもうぞ。(笑) 見事じゃ!(笑)
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無詠唱。
毒は消えた。
人工細胞魔法が、傷ついた器官を修復した。
「まだやるか?」
「仕方ないわね。匂いを消す魔法を展開され続けたら手が出ない。防御魔法は苦手なの。退かせてもらうわ」
女賞金稼ぎは去った。
今回も強敵だったぜ。
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