第4話 街全体を巻き込む大勝負

「ボス!街全体でギャンブル勝負の話が来ました!」


 クロスが駆け込んできた。声の興奮度が尋常じゃない。

「勝てば街の支配権と資金が全部手に入ります!」


 ルナは眉をひそめる。

「街全体ですって……そんなこと、どうやって勝つつもりですの?」


 ボボは目を輝かせてジャンプ。

「にゃはは!面白そうー!ボス、全力でやろうー!」


 桜井カズマは深呼吸。

(前世のギャンブル知識と、微妙なイカサマを混ぜれば……なんとかなるだろう。)


 ⸻


 ギャンブル会場は街の広場全体。ルーレットやカード台、サイコロまで設置され、通行人や商人、屋台の店主まで巻き込まれた街ぐるみの勝負だ。


 カズマは魔法印でカードを微妙に有利にし、ルナは光の魔法で数字を読みやすくする。

 ボボはギャグを交えて相手の集中を乱し、クロスは情報をこっそりずらして相手の戦略を混乱させる。


 街は大騒ぎ。リンゴが宙を舞い、通行人が勝手にチップを賭け、サイコロの音と人々の歓声が混ざり合う。


 最後の一投。街全体の運命を決める巨大サイコロが転がる。

 ボボが飛び上がってカードをくすぐり、相手は慌てて数字を間違える。


「……勝ったな!」


 桜井カズマの勝利。街全体が歓声に包まれる。ルナはため息混じりだが、ボボは跳ね回って笑いっぱなし。


「勝ちは勝ちだ、ルナ。笑いながら勝つ。それが俺たち流。」


 桜井カズマの異世界マフィア伝説は、街全体を巻き込む大勝負でさらに加速した。笑いとイカサマ、そして波乱はまだまだ続く――。

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