やりたいことやってたら友達を好きになってしまった
ヤシ
きっかけ
「行ってきます。」
平日の火曜日、今日も憂鬱気味に家を出る。
外に出るとそろそろ初夏に入ったからか、快晴だからか少し蒸し暑い。少し行くのが嫌になりながらも家から、徒歩10分くらいの位置にある駅に向かって歩く。道中には、小学校に繋がる通学路があるからか、よく小学生の高い声が耳に響いてとにかくうるさい。まぁそれでも可愛いから許せるんだけど……。
そんな事を考えながら交差点に着き青信号になるのを待っていると、スマホに一通のメッセージが来る。
『愛衣大丈夫?今日はいつもより遅いけど。』
届いたメッセージを見てすぐにいつもの約束を思い出す。
「あ、忘れてた。」
すぐに振り返り、来た道を戻る。この蒸し暑い中せっかくここまで歩いたのに戻らなくてはいけない、と言うめんどくさい工程をすると考えたら、置いていってもいいのでは?と考えたものの、唯一の友達を置き去りにするのは良くないと考え少しだけ早歩きになってしまう。
2分くらい早歩きをしていると、コンビニが見えてくる。少しほっとして、目の前の交差点を渡って、コンビニの目の前で退屈そうにスマホを触っている友達に話しかける。
「ごめん、涼風遅れた。」
「嘘つけ、忘れてだろ。」
そういい涼風は少し困ったような、笑顔のような表情をして私は少しほっとた。
星凪涼風(ほしなぎすずな)、唯一素直に話し合える中学からの付き合いがある友達。背は少し小さく、髪はショートで少しクールな見た目をしている、イケメンと美女の中間くらいの顔で、成績もかなり高いくてちょっとすごい。強いて悪い所を言うなら、稀に何を考えてるか分からなくてたまに怖い、と言う所だけ。それ以外はほとんど完璧で羨ましい。
「変なこと考えてた?」
「別に、早く行こ。」
そういい涼凪の隣を歩く、今日も綺麗に整えられた髪からはいい匂いがして憂鬱になってた気分がかなり晴れる。
そこから10分くらい電車に乗り、降りてまた歩いて5分くらいすると、私が在学している高校に到着する。高校の中は相変わらず賑わっていて、私には少し窮屈に感じた。
その日の高校生活はいつもと何も変わらず終わった。特に楽しい事がある訳でもなく、嫌なこともなく。いや、強いて言うなら放課後に返された小テストで初の20点代を記録したくらいなのだが……。それはクシャクシャにしてカバンに突っ込んで、忘れることにした。その後すぐに帰りの用意をしている涼凪に話しかける。
「ね、涼凪。一緒に帰ろ」
すると涼凪は申し訳なさそうな、でも少し嬉しそうな表情で答える。
「ごめんね、今日は用事があって……明日一緒に帰ろ。」
「わかった、用事があるなら仕方ないよね……じゃあね、気おつけて。」
ちょっと悲しかったけど用事があるなら仕方ないよね、そう思い教室を出る。
校門を出て、右に曲り歩いて5分くらいの所に、少し古びた定食屋件、私のおばあちゃん家がある。前は高校が近いためかよく学生が来ていたが、最近は客足が減っていて少し困っているらしい。店に入ると直ぐに、ほぼ毎日いるアルバトの大学生のお姉さんが、いつも通り出迎えてくれる。
「おかえり、また練習しに来たの?」
「ただいま、今日もやるよ、楽しいからね」
「なら奥の机でね」
そんな簡単な会話をして、店の奥からギターを取り出す。ここ3ヶ月前から趣味になり始めていって現在進行形で練習ているギター、なんでやり始めたかはもうよく覚えていない。
いつも通り、奥の机に座りスマホを横画面にして、ギターの楽譜を見なが少し演奏する。3ヶ月前から始めたものの、以外に軽めのフリーBGM程度なら弾けるようになっていた。もういっその事音楽家的なものになれるのでは?というしょうもない妄想をしていると、店のドアが開くと共に、声がイヤホン越しに聞こえてくる。
「今日からよろしくお願いします」
「よろしくね」
新人のアルバイトかな?と一瞬思ったが、気にせずにギターの練習をしていると、肩を軽く叩かれて振り向く。目の前には、中学の時から関わっていて、私の唯一の友達が、ニヤニヤしながら立っていた。
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あとがき
この小説を最後まで読んでくださりありがとうございます。
小説自体は初めて書いたので、まだ読んでいて違和感を感じたり、変な所もあると思いますが、これからたくさん書いて上手になっていこうと思います。
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