第1話「サトシ・カーター」
僕は2012年4月3日に、アメリカの小さな町の普通の家庭に生まれた。僕の親は母親しかいない。父親は僕が生まれる前に母と離婚した。母親は黒髪の優しい笑顔を浮かべる日本人で、父親はワイルドな髭を持っているアメリカ人だ。
僕が幼い頃、母親によく、「パパはどこ?」と聞いたが、いつも返事は「パパはモンスターを倒しに出かけているの。」だった。この頃の僕はヒーローのアニメがとても好きだった。特に好きだったのは、「スペースマン」という、宇宙から来た超強いヒーローで、当時の子供に絶大な人気があった。そのスペースマンは甘いものが大好きというギャプもあった。
とにかく、母親は幼い僕をいつも気遣っていたのだ。当時の僕は「パパはスペースヒーローみたいな人なんだ!!」というイメージがあった。だが、それは後に違ったということがわかる。
僕が17歳の思春期真っただなかのころ、母親は病気で入院していた。僕は母親の病室に毎日お見舞いに行った。
母親が死ぬ間際に、僕にくれた言葉があった。
「あなたはアイデアマンよ。あなたのアイデアでこの世界をより良くしてあげなさい。私も上から見守っているわ。」
病室には父親もいたが、父親はずっとスマホを見ていた。今となっては悲しくないのだろうか、とも思ったが、当時の僕には母親の病気のことで頭がいっぱいだった。
母親はそんな僕の顔を見て、悲しい顔をしていた。母親は悲しい顔をした後、カーテンがゆらりと舞う、窓の下の花瓶を見た。その花瓶の花は僕が一生懸命に、公園から持ってきた1輪の花だった。
母親が46歳の若さで星になった後、父親が僕を引き取ったが、子供の頃に抱いていたイメージとは全く違っていた。家事は全部僕に押し付けられ、買い物も僕がやった。父親に文句を言おうとすると、「家賃払ってやっているだろ。」と言われ、何も言えなかった。
高校を卒業し、大学に入学した。大学デビューをしようか迷ったが、結局やめて、普通にどこにでもいるであろう宇宙大好きオタクとして大学に通った。
僕には大学で2人目の友達ができた。
1人目は小学生時代に母親が飼ってくれた、1匹のメダカだ。名前は「ダニエル」。
僕はダニエルとなら何でもできると思っていた。ダニエルに芸を教えたが、なぜかやってくれなかった。でも、芸をやってくれなくても、優雅な泳ぎを見ているだけで幸せだった。
学校をダニエルに紹介したこともあった。だが、コソコソしているところを先生に見られ、僕の友達を紹介したら、先生は僕の唯一の友達がメダカだと知った途端、目に涙が浮かんでいた。当時の僕はなぜ泣いているかわからなかった。今になっても、よくわからない。
家に帰って、ダニエルと一緒にご飯を食べようとしたが、そう思ったのもつかの間、ダニエルは友達になってから1週間で死んでしまった。現実はそう甘くないことを痛感した。
そして、2人目の友達は女性で「リサ・ハートン」という名前だった。僕と同じで宇宙が好きだった。
仲良くなったきっかけは大学のテーマで、自分の好きなものをレポートにして発表する課題だった。
僕は真っ先に宇宙しかないと思った。彼女もそう思ったのか、発表のときに楽しそうに宇宙のことを熱弁していた。テーマが一緒で気が合うから、自然に仲良くなったのだ。
彼女は「宇宙オタクは普通どこにでもいるよね?」と僕と同じことを言っていた。
1週間後、彼女は前からいた友達を呼んできた。名前は「エリック・ダンストン」という男らしい青年で、見た目は体がゴツく、いかにも歯向かったら消されそうな感じだった。
リサが「何?サトシ、エリックが怖いの?(笑)」と僕を煽ってきた。
僕が女性の前ではカッコつける性格。リサの前では男らしいところを見せようとした。
慌てて、「怖くなんてないよ。筋肉はエリックのほうがあるかもしれないけど。」
するとリサとエリックは笑った。僕は苦笑いしてこの瞬間を逃れようとしたが、無理だった。
リサが口を開いた。「バカねぇ。エリックはこう見えても、優しいのよ。とても、スポーツ万能で頭がいいんだから。
「褒め過ぎだよ〜」とエリックが嬉しそうに言った。「もしよかったら、僕と仲良くならない?」
僕は数秒考えた。エリックと気が合うだろうか。気が合わないと話すのが難しい。
僕はベーコンのあの端っこのカリカリが好きだ。あれだけで、米は3杯食べられる。
「エリック、質問だけど。エリックはベーコンの端っこのカリカリ好き?」と僕は聞いた。
「ああ、もちろん!!あれだけでハンバーガー3個は食べられるよ。」とエリック。
僕より上がいたのだ。こうして、宇宙一頑丈な友情は、ベーコンのカリカリで結ばれた。
4年後、僕たちは3人は無事卒業できた。エリックは僕たちの影響か、宇宙大好きオタクになっていた。
だから、NASAの宇宙飛行士を目指すつもりだ。それは、エリックだけじゃなく、リサと僕も同じ夢だった。
僕たち3人は宇宙飛行士になるため、まず軍に入隊してジェット機のパイロットを目指した。
リサの父親は元、軍の戦闘機パイロットだったため、戦闘機の基本的なことは知っていた。
何時間もの努力の末、3人ともジェット機になれた。1000時間以上のフライトで、宇宙飛行士応募条件もクリアした。
軍を除隊し、NASAへ宇宙飛行士に応募した。
ここからはNASAの宇宙飛行士になる道が長すぎる。それに、長く説明する気力もないので短く言おう。
僕たちはNASAで訓練や勉強をして、宇宙飛行士になれた。
これを聞いている人は「短すぎ!!」と言うかもしれないが、まあ、いいだろう。
しかし、ここからが本当の挑戦の始まりだった__
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